元博報堂のプロレスラー三富政行、プロレスをしてない時は「心の息ができなかった」
仕事は過酷でも、プロレスへ向かう気持ちが三富の救いになっていた。「プロレスをしてない時の自分は本当に廃人でしかなかったというか。空っぽです。もう息ができない、心の息ができなかったというのがありました。プロレスより全然痛かったです」と振り返る。「プロレスのリングは博報堂ほどお金は稼げないかもしれないし、偏見もあるかもしれないけど、自分にとっては天国なんです」というから真に迫ってくる。
そんな三富にとってプロレスの魅力は「やっぱり試合もそうだし、キャリアの積み方もそうだし、人生の全てが詰まっていると思ってます。特に小橋さんの試合は僕にとってすごく大きい。小橋さんはどんなにやられても立ち上がって、最後は自分の必殺技で勝つ。何ものにも負けない、僕の人生を肯定してくれているような試合だったんです」という。そしてそんな“闘い”が見えるプロレス、生きざまや闘う姿から観客を勇気づけるプロレスを自身も見せていきたいと語る。
「信じた道を信じ続ければ、裏切らないんだなと思います。周囲の反対もあったけれど、やっぱり好きなことをやり続けて今はよかったと思っているし、好きなことを仕事にできて幸せだと思います」
社会の尺度と違ってもいい。本当に心が望むものに情熱を傾けることで見えてくる道がある。そんなメッセージを三富はリングで闘い、発信し続けている。(取材・文・写真:しべ超二)
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