『サイコパス』虚淵玄&深見真、劇場版への思い「1期にやりのこしたことをやろう」
「自分は“ぶっこむ”といっていますが、これはカットされるだろうなと思っても、自分が好きで趣味になっているような、ミリタリーや格闘技、恋愛要素なんかもとりあえずぶっこんでみる」と続けると、「まさにそれが欲しかったんです。『PSYCHO‐PASS サイコパス』は理詰めでやると味気ない話になっちゃうのはわかりきっていたので」と虚淵。それに加え、虚淵はヒットの理由として「天野(明)さんのきらびやかな絵を塩谷(直義)監督のストイズムな演出で抑え込んだことによる爆発力というか。その相互作用で化けた」と、キャラクター原案の天野明の存在をあげる。
虚淵は「『PSYCHO‐PASS サイコパス』は世界観が増殖していく感じが楽しい」と充実の表情。多彩な才能のなかで生まれたキャラクターたちが魅力的になったのも納得だが、劇場版で注目を集めているのが、1期のラストで姿を消した狡噛慎也だ。その後「狡噛は内戦下で戦っていた」というシチュエーションが用意されたが、虚淵は「狡噛は流れ流れてそこにたどり着いた。目の前の善悪で舵取りをしちゃう人なので。行きずりの悪を見逃せない人」だからこそ、内戦下で奔走する。深見は「生き生きとしてますよね。とうとう狡噛が自由になった。残された宜野座がかわいそうになるくらい!」とニッコリ。
ヒロイン・常守朱が「狡噛が変わってしまったのかを追いかけるスタイル」というのが、劇場版だ。虚淵は「朱は狡噛を肯定しきれないんでしょうね。肯定できないがゆえのこだわりがある」と話すように、それぞれの正義がぶつかり合うのが本シリーズの見どころ。ぜひ劇場で、彼らの見出す正義を見届けてほしい。(取材・文:成田おり枝)
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