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新井陽次郎監督、ジブリで得たものを『台風のノルダ』へ「“未来がある”と感じて」

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『台風のノルダ』新鋭・新井陽次郎監督にインタビュー
『台風のノルダ』新鋭・新井陽次郎監督にインタビュー クランクイン!

 スタジオジブリ出身、26歳の新鋭・新井陽次郎が映画『台風のノルダ』で劇場版監督デビューを果たした。完全オリジナルとして公開される本作に込めた想いや、スタジオジブリで得たもの、そして現在所属するスタジオコロリドを通して、新井監督が見据えるアニメ業界の今後などを聞いた。

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 ある離島の中学校。文化祭前日に観測史上最大級の台風がやってくるなか、少年二人の友情や葛藤をファンタジックに描いた本作。思春期独特の感情や、大型台風が近づく中での非日常の高揚感が繊細に描かれているが「着想はジブリ時代に描いた一枚絵なんです」と新井監督は語る。「幼少期に感じた台風が来た時の不思議な気持ちを描きたいなと……」。

 新井監督は、スタジオジブリのアニメーターとして、映画『借りぐらしのアリエッティ』『コクリコ坂から』『風立ちぬ』などに携わった。「僕はアニメーターの中でも、動画を担当していたので、アニメーションについてすべてを学べたわけではないと思うのですが、ジブリは、画面を作る工程、レイアウトというのですが、その部分をすごく大事にしているんです。先輩たちを見ていて感じました。画面には直接出ない工程なのですが、その部分をしっかりやっていくと、美術、背景を描く人たちにも伝えやすいし、非常に重要な工程。そういう部分はこの映画にも活かされていると思います」。

 ジブリで色々なことを吸収した3年間。そして新井監督は、2011年に設立されたスタジオコロリドへ移籍する。「若い人たちがいっぱいいるスタジオ。今回、僕が監督をやったというのは特殊な形かなとは思いますが、あとの人たちに『未来がある』と感じてもらえる意味で意義がある。みんなが主体性を持って、自分から『こういうことをやりたい』って言える雰囲気のスタジオになればいいなと……」。

 一方で、本作で大役を担い、監督としての難しさも身に染みて思い知らされたという。「監督はみんなをまとめて判断をしていなくてはいけないんですよね。僕の判断が遅れるとそれだけ、迷惑がかかる。絵を描く監督って、自分の業務以外もついやってしまう。アニメーターには苦労させちゃったなって反省しています」。

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