M・ナイト・シャマランが問う“サプライズ”とは TVドラマ初挑戦への思い
そんな風に言われたら、観たくなってしまうのが人の常というもの。こういった辺りにもシャマランの“物語る才能”は遺憾なく発揮されているよう思われるが、自作でたびたび見られる“サプライズ”について、シャマラン自身は次のように言う。
「自分としては“サプライズ”という風にはあまり思っていないんです。ただキャラクターが常識だと思っていたことが覆される、たとえば妻には愛人がいた、実は隣人がこんなダークな一面を持っていたというように、話の中で新たな真実が加わること、設定が変わってしまうことを指して言われるのだと私は思っています」。
とらえ方こそ違えど、こちらの予測や思い込みを覆していくストーリー展開こそシャマラン作品の真骨頂。今回CMでたびたび分断されるTVシリーズへ初挑戦するにあたり、映画と違った意識を持つところはあったのだろうか。
「コマーシャル入りで観たのは先週テレビで放送された時が初めてだったのですが、そもそも撮影や編集をしていた時も、5つのパートで1つの構成ということを考えて作っていたので、CMになって1回ポーズが入って考える時間を与える、そしてそこからまた始まるというリズムは、CMなしで観た時より合っていたと思います」。
たしかにテレビドラマゆえCMが挟まれるが、それがこれまでの展開を振り返り謎に思いを巡らす時間ともなっており、効果的に感じる。
「みんながipadや雑誌を見たり、話したりする中でそんなに集中して観られないんじゃないか、ちょっと作りが複雑すぎたかなと思った時もあったのですが、逆にそういったものを排除して、しっかり集中して観なきゃいけない、『ウェイワード・パインズ』はそんな新しいタイプのドラマだと思ってもらえればと思います」。(取材・文・撮影:しべ超二)
M・ナイト・シャマラン製作総指揮『ウェイワード・パインズ 出口のない街』は、FOXチャンネルにて毎週金曜22時ほか放送中。9月より第1話~再放送予定。また先行でデジタルレンタル配信中、DVDは今秋リリース予定。
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