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“趣味人”のイタさと悲哀を笑いで描く、漫画『木根さんの1人でキネマ』が面白い

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 たとえば第1話で取り上げているのは『ターミネーター3』。世間的には評判がいまいちだったものの、実際に見てみるとそれなりに面白かったという感想を木根さんはブログにアップする。すると、ツイッターで「ターミネーター2の方が面白いですよ」という返信が届いてしまう。これには木根さん、心のなかで「知ってるわよ!何?この人、私が『2』見ずに『3』見たと思ってるの?そんな奴いる!?」とブチ切れる。こうしたやりとりが何とも面白くて、「あーあるある!」と楽しめる。

 時事ネタ的には、先日公開され世界中を沸かせた『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』を扱った回が面白い。『スター・ウォーズ』を楽しみにしている木根さんは公開日までの間、新作に関するニュースや予告、ファンのつぶやきなど一切の情報を封印して生活しようと決意するのだが、やはり話題作だけあって油断するとすぐに情報が飛び込んでくる。ありとあらゆる手段でそれらを回避する木根さんだが、仕事先の打ち合わせであろうことか新作の話題が出てしまうのだ。クライアントなので無下にはできない、しかし情報は入れたくない…映画マニアと社会人の立場とで板挟みになった木根さんがとった行動には、思わず「なるほど!」と膝をたたきながらニヤリとさせられた。このシーンはぜひ単行本でご覧いただきたい。

 「趣味」そのものをテーマにした本作、ゆっくり趣味を楽しめるゴールデンウィークだからこそ読んでみては?

 『木根さんの1人でキネマ』は、無料WEBマンガ誌「ヤングアニマルDensi」で連載中。 最新第12話が5月13日公開、コミックス第2巻は6月29日発売。

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