『ドリー』監督、ピクサー社は「五輪の選手村みたい」名作生み出す苦労明かす

美しい海を舞台に親子の絆を描いて大ヒットを記録した『ファインディング・ニモ』の公開から13年。続編となるディズニー/ピクサー最新作『ファインディング・ドリー』がいよいよスクリーンにお目見えする。前作に引き続き監督を務めたアンドリュー・スタントンと共同監督のアンガス・マクレーンを直撃し、ドリーを主人公にした理由、ピクサーの哲学にまで迫った。
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本作で主人公となるのは、前作で奇跡の大冒険を繰り広げたニモの大親友、ドリー。明るくポジティブだけれどなんでもすぐに忘れてしまうドリーが、たったひとつ忘れなかった「家族の思い出」を手掛かりに、彼らを捜す旅に出る物語だ。前作が世界中の人に愛されたからこそ、「続編は絶対にやらないと思っていた」というスタントン監督。しかし、「ずっとドリーのことが心配だった」と胸の内を明かす。
「みんな、前作では彼女のハッピーな顔ばかりが印象に残っていると思う。でも僕は、ドリーのバックボーンに何があるのかを知っていたんだ」と前作からドリーの内面をじっくりと考えていたそう。「彼女はニモたち親子に出会うまでは、ずっと1人で海をさまよっていたんだ。そして自分は“極度の忘れん坊だ”という欠点があると思い込んでいるから、いつもみんなから置いていかれるんじゃないかと不安で仕方がないんだ。だからこそドリーは“フレンドリーさ”という武器を身につけた。実はとても悲劇的なキャラクターなんだよ」。
「ドリーの裏側にある顔を見せなければいけない」という使命感と、「ドリーに自分自身を好きになってほしい」との思いを胸に続編に取り組んだ。物語を突き詰めていくうちに現れたテーマは「旅を通して自分の欠点を乗り越えること」だという。旅のクライマックスには驚くほどパワフルなドリーが登場するが、「ドリーが自身の問題を解決できた時には、きっと以前にはなかったような自信を持って生きていけるはずだと思った」とスタントン監督。「クライマックスでの大冒険は、まさにそんなドリーの姿が反映されている。僕はあのドリーが大好きなんだ」と力強さを身につけたドリーに惚れ惚れとする。
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