現在第2巻までが発売されており、発売予定の続刊まで合わせるとこれまでに紹介した日本酒は25本に数える。登場する日本酒は「原作者の私が選び、編集部に諮って決めている」と言い、基本コンセプトは「酒屋万流」と「本質」。増田の考えとして「愉しくておいしいさまざまなお酒が、しっかりとした蔵元と杜氏の手になってこそ、日本酒の復活が現実になる」があり、「酒は人なり、人は酒なり」なのだという。また、「選ぶ酒が至極まっとうな製法か否か。誠意を込め『日本酒の本質』を踏まえて醸されているかどうか。この点には、編集部ともども気を配っているつもりです」とも。実在する蔵と酒を扱うからこそ、そこには単純な好きだけではなく、慎重さも伴ってくる。

　最後に、“日本酒初め”ならぬ年始にオススメの日本酒を聞いてみたところ、スラスラと日本酒の銘柄が口をついて出た。「うまからまんさく」「花巴」「伊根満開」「大治郎」「澤姫」「誉池月」…。「もちろん、ほかのお酒もうまいんです！」と力を込め、「新政はこのジャンルの最高峰にして超のつく人気を誇っています。丹澤山はお燗して呑み飽きないし、おせち料理をつまむには最適。村祐の上品な甘さも私は大好きだし……」。オススメの日本酒だらけである。

　2017年の『いっぽん!!』については、これまで以上に「バリエーション豊かで、うまい酒が続々登場します。ご期待あれ！」と言葉を結んだ増田。日本酒が気になっている人、すでに日本酒が好きな人、お酒は好きだけど、日本酒にはまだ挑戦していない人…すべての人にオススメなマンガ『いっぽん!! しあわせの日本酒』は、「グランドジャンプ」にて連載中。単行本は第3巻が1月19日発売。（取材・文：ほりかごさおり）