『ツイン・ピークス』クーパー捜査官、シーズン復活に「リンチ監督をくどき続けた」
カイルがここまで熱くなるのは、やはり『ツイン・ピークス』が、彼の俳優人生に関わる特別な存在だからだ。「この作品は、僕のキャリアを完全に変えてくれた。監督やプロデューサー、脚本家など、クリエーターにも大きな影響を与え、ファンも多かったので、彼らから“キミを起用したい”というオファーが殺到した時期もあった」と述懐する。さらに、「そのルーツを辿れば、やはりリンチ監督との出会いに尽きる。『デューン/砂の惑星』『ブルーベルベット』で新人の僕を思い切って起用してくれたことが、『ツイン・ピークス』の誕生に繋がったからね」と生涯の恩師に思いを馳せる。
25年ぶりにリンチ監督のもとで、クーパー捜査官を演じたカイル。その感触は、今も変わっていないのだろうか?「核の部分は全く変わっていない。ただ、進化はしているよ。シンプルだけれど、よりパワフルになった」と強調する。「記者会見でも言ったけれど、今回は18時間という1本の長い映画を撮っている感覚だった。あらゆる面で予想を遥かに超える展開が待っている。例えば、クーパー捜査官も、今までのキャラクターを踏襲するのではなく、もっと抑制させるというか…ネタバレになるのでハッキリ言えないけれど、クーパーはいるけれど“いない”みたいな(笑)。ある意味、視聴者に挑戦状を突き付けるような作品になったと思う」と自信をのぞかせる。
前シーズンのキャストと再会したことについては、「初日に(アンディ保安官補役の)ハリー・ゴアスとの撮影があり、2日目が(ローラ・パーマー役の)シェリル・リーだったかな?まるで同窓会のようで夢のような時間だった」と満面の笑顔を浮かべるカイル。総勢217人を数えるキャストについては、「お馴染みの古いキャストもたくさん参加しているけれど、新しいキャストも素晴らしかった。みんなこの作品のファンで、現場は“ツイン・ピークス愛”に溢れていたよ」。
最後に、本作への出演を最後に71歳でこの世を去った“丸太おばさん”ことマーガレット役のキャサリン・E・コウルソンについて触れたカイル。「亡くなる数日前に撮影が行なわれて…キャサリンは、リンチ監督のデビュー作『イレイザーヘッド』で助手を務め、それからずっと一緒に仕事をしてきた大切な仲間。本当に残念だよ」と目を落としながら、募る思いを噛みしめていた。(取材・文:坂田正樹)
海外ドラマ、新作『ツイン・ピークス』は、WOWOWプライムにて7月22日より毎週土曜21時ほか日本独占放送(第1話無料放送)。
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