32名で力を合わせ、世界初上演の新作を演じ切る! ネルケプランニング「夏休み!オン・ワークショップ2026」レポート【最終日】
ネルケプランニングのWELCOME KIDS PROJECTによる演劇ワークショップ&体験会「夏休み!オン・ワークショップ2026」が、6日目の最終日を迎えた。小学1年生から中学3年生までの32名が、演出・脚本を手がける劇団おぼんろ・末原拓馬とともに、数日間かけて一つの舞台を作り上げてきた。集大成となる成果発表会の様子をレポートする。
【写真】みんな立派な俳優さん! ネルケプランニング「夏休み!オン・ワークショップ2026」最終日の様子
◆「緊張してない!」と笑顔 役者の顔つきで迎える開幕
迎えた最終日。パーテーションで区切られた楽屋には、自分たちで作ったTシャツに天使の羽、天使の輪をつけた子どもたちの姿があった。鏡前で衣裳をチェックしたり、パーテーションの隙間から客席の保護者を確認したり。どこかソワソワとしながらも、どの子も笑顔で楽しそうなのが印象的だ。何人かに緊張しているか聞いてみたが、みんな口を揃えて「緊張してない!」と答える。
とはいえ、少しずつ落ち着かない空気が漂いはじめる。すると、スタッフから「お客さんのことは気にしないで、集中するよ!」と声がかかった。全員で上演前の円陣を組むと、「やるぞ!」という気合いや高揚感を残しつつも、浮ついた熱がすっと引いていく。まさに、本番前の役者の顔つきだ。講師の末原のかけ声を受け、子どもたちの声が会場に響き渡った。

「今回の演目は、ここが世界初上演の新作です」。プロジェクトリーダーの下泉さやかからのそんな挨拶の後、いよいよ開幕する。
末原が書き下ろしたのは、天界を舞台にした物語。審査に落ちてしまった天使の卵=“落第もどき”、審査に受かったものの天使学校で挫折し、天使より高位の存在である悪魔になれなかった“合格もどき”。完璧ではない、できそこないの存在たち。そんな彼らが、自分を認め、自らの願いを祈る。そして、誰もがそうあれる世界を願う物語だ。ほんのすこしの苦みを、子どもたちの笑顔とパワーが希望へと変えていく。末原らしい一作である。
ステージと、そこから伸びる3本の花道、さらに壇上も使った複雑な動線に、歌やダンスもある。つい5日前に、本読みが始まったばかりで、セリフを発するにも自信なさげだった子どもたち。そこからわずか数日で、これほどまでに見違えるとは。子どもたちは登場シーンから、紙吹雪と祈りを書いた紙飛行機が舞うクライマックスまで、全32名が堂々とステージに立ち続け、拍手を浴びる姿は、まさに役者そのもの。全員が、やりきったという充実の表情を見せてくれた。
カーテンコールで、末原は「今日が6日目です。普通であればあり得ないことが、こうして実現しました。いろんな可能性を感じる、楽しい時間でした」とワークショップを振り返る。下泉も「演劇は、すべての過程、関わるひとりひとりの仕事のすべてに意味がある世界です。このワークショップを通して、全部のことが無駄ではなく、誰一人欠けてはだめで、すべてが今につながるということを感じて持ち帰ってもらえたら」と、保護者に向けて感慨深く語りかけた。