『恋マジ』まさかの泥沼展開に「ありえなーい」の声 歯車が狂った壮絶回に
恋に本気になれない6人の男女が織りなす群像ラブストーリー『恋なんて、本気でやってどうするの?』(カンテレ・フジテレビ系/毎週月曜22時)。6月6日(月)放送の第8話では、長峰柊磨(松村北斗)の母・真弓(斉藤由貴)の暴走で、桜沢純(広瀬アリス)大ピンチ! “ラブサスペンス”を見ているような壮絶回となった。(文=菜本かな) ※本記事はネタバレを含みます。ご注意ください
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■歯車が狂った純&柊磨
こんなに、“ありえなーい”展開が続くことがあるのだろうか。あまりにも壮絶すぎた第8話には、「恋愛ドラマじゃなくて、昼ドラ感満載」「ラブサスペンスかこれ?」と驚きの声が多く上がった。
純と柊磨には、“毒親育ち”という共通点があるが、その境遇は180度異なる。母親に愛情をかけてもらえなかった純に対して、母親に依存されている柊磨。前者の場合は、距離を置けば解決する場合もある。「絶対に変わらない」と諦めて、逃げ出してしまえばいい。
しかし、後者の場合はどうだろう。逃げ出してしまえば、母親を追い詰めてしまう可能性もある。その怖さを誰よりも分かっている柊磨は、幼い頃から「どんなに厄介でも、母親を見捨てない」「(真弓を)死なせないように、そばにいる」と誓いを立てて生きてきた。
そんな彼のことだ。純に、「(真弓に)施設に帰ってもらった方がいいと思う」と言われたからといって、簡単に同意できるはずがない。「毒親っていうのは、一生毒親なの」という純の考えも分かるが、人生にはどうにもならないこともある。
過去に、自殺未遂をしている真弓。純の言うことを聞いて、柊磨が母親を突き放したとしよう。それで、もしも死んでしまったら――。母の“死”と隣り合わせに生きてきた彼だからこそ、簡単に見放すことができないのだと思う。
柊磨だって、つらい。きっと、真弓だってつらい。そんな二人の地雷を、どんどん踏んでいく純。それも、悪気があって言っているわけではないから、救いようがない。彼女が、柊磨を助けようとすればするほど、真弓から引き離すことになってしまうのだ。それに気付き、純を敵視した真弓は、ついにナイフを持ち出して対抗してしまう。
追い詰められた母親と、空回りしてしまった恋人。選択に迫られた柊磨は、純を突き放す道を選んだ。この時、彼は初めて他人を拒んだのではないだろうか。あまり感情を出してこなかった柊磨が、「帰れ」と強く訴える姿。もちろん声を荒げるわけでなないが、『恋マジ』史上、最も柊磨の思いが前面に出ていた気がする。
それにしても、たったひとりの介入で、こんなにも歯車が狂ってしまうのか。ラブラブだった純と柊磨を知っているだけに、苦しい展開になってしまった。
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