黒宮れい“消費される生き方”の危うさ語る 容姿で判断されたアイドル時代を経て気付いたこと

インタビュー
2021年3月7日 08:00

■黒宮れいのメンタル蘇生術


――バイブルにします(笑) 他にも、「メンヘラなのはご愛嬌じゃん」っていうフレーズにもあったと思いますが、不安定な心でもそのままでいいという肯定的な言葉が印象的でした。敏感で繊細な心とうまく付き合っていく方法ってなんだと思いますか?

自分はメンヘラですし、気分の浮き沈みもめちゃくちゃ激しいです。今までは、気分が落ちた時には「どうしよう、自分、今落ちてるわ」って焦ってしまって、どうにかして上げないといけないとも思っていました。だけど気分を上げようとしても結局上がらないんです。例えば新しい洋服を買ったら少しは嬉しい気持ちになるのですが、結局寝る時になったら「ああ、また夜かよ」と思って飲み込まれそうになる。だったら、とことん自分の浮き沈みに付き合って、「あー、もういいんじゃねー?」みたいに思ったら少し頑張ってみるとかがいいかなと思います。

――落ちてる時はそれに向き合って無理に上げなくていいんですね。

「どうしよう」とも思わなくていい! ただ、“無”でいること。「なんか今日は天気がいいから、ちょっと換気してみようかな」ぐらいに。「もしかしたら部屋の空気が重いからかもしれないしなー」みたいな感じで気楽に考えながら「毎日頑張ってるし、今日はいいよね」って感じで付き合ってあげることが大事だと思います。ダイエットなんかしていたら、もっとメンタルやられますよ。別に太ってていいの。太っててもいいし、ムチムチでもいいじゃないですか。それも愛嬌。メンヘラなのも愛嬌。好きな人はいるから絶対、大丈夫。

――強い!

そう、強いんですよ!

――ちなみに本の中では「レベル1のメンヘラからレベル100のメンヘラまで成長させたい」というのがあったと思いますが、それは負の感情を増幅させるわけではなくて、うまく自分と付き合えるメンヘラを量産するということなのでしょうか?

メンヘラの母数を増やすんです。増やしていけば、自分と同じ感覚で共鳴してくれる子が世界に増えると思っています。1人が自分と同じ価値観で、1人が自分のアンチだとしたら、その後ろには10人ぐらいそれぞれに共鳴している人がいる。自分はメンヘラの教祖になって同じことを思う人をもっともっと増やしていこうと思っているんです。そうすれば自分も強くなれる。そして、わたしと同じように感じる子たちも強くなるんですよ。だって同じことを思う人はこんなにいるって思えるから。それはアンチも一緒で、同じことを思う人がいるから自分がやってることは正しいと思えるんです。紙一重だと思います。


――アンチに対しても、マイナスの感情を抱くんじゃなくて、肯定的な視点を持つんですね。すごく有意義な考えを学べました。

そうなんです。このあいだエゴサしたら「黒宮れいは男の話しかストーリーにあげない」って書いてあって、それはつい「確かになぁ」って思っちゃいました(笑)。でもこれって、わたしのブランディングが成功したってことなんじゃないかと。自分はもともと写真もあげないしツイートも少ないから、結局仕事と男の話しかしないんですよね。だから、アンチにまで自分の伝えたいことが届いているなら、いいかなと思っています。

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