中村蒼、楽しくも悩んだ2021年 30代は「先頭に立つような役もやっていきたい」
■東日本大震災から10年 改めて感じる思い
ーー瑞穂の故郷は福島県で、東日本大震災について触れるエピソードもあります。中村さんは2020年に放送されたNHK連続テレビ小説『エール』(NHK総合)で福島県出身の作詞家・村野鉄男を演じられていましたが、ドラマの放送から約1年、震災から10年という節目を迎えた今、改めて感じる思いをお聞かせください。
震災当時、僕は東京から見守ることしかできなかったし、そんな僕が震災に対していろいろ話すことは難しいですけど、でも、この作品のように福島や震災のことが劇中に出ることで、微力ながらも「福島の人たちに少しでも喜んで見てもらえたらいいな」と思っています。今回また福島が出てくる作品に関われたことはすごくよかったです。
ーー“震災を風化させない”という意味でも、エンターテインメントの力はすごく感じますよね。
そうですね。ドラマや映画を見て大きな悩みが解決することはないかもしれませんが、何かに踏み出したり、大きな出来事を思い返したりするきっかけになるということは、とても意味のあることだと感じます。これからもそういう作品に携わっていけたらいいなと思います。
■中村蒼にとって2021年はどんな年?
ーーさて、いよいよ今年も終わりを迎えますが、中村さんにとって2021年はどのような年でしたか?
今年もいろいろなお仕事をさせてもらって、たくさんの人と出会えて良い年を過ごせました。その時は悩むことや大変だと思うこともありましたが、振り返ると本当に良い思い出が多いのでよかったです。
ーー漢字一文字で表すとどんな字でしょうか。
今年で30歳になって、周りにも「ついに30代だね」と言われることが増えました。個人的には「30歳か」とは思うけど、あまり実感がないんですよね。ただ、自分でも今までを振り返ったり、今後のことを考えたりする機会が増えて、不安になることもありました。
でも、悩みながらもなんとか答えを出してがんばってきて、現場の人に支えていただき、先輩方に教えてもらいながら進んでいった1年でしたね。結果、この1年を振り返って楽しかったなと思えたので「悩」です。“振り返って”楽しかったので「楽」ではなく「悩」(笑)。
ーー2022年はどのような年になりそうでしょうか? また、今後演じてみたい役どころなどはありますか?
来年も1年を振り返った時に楽しかったと思える年になったらいいなと思います。今までは周りを引っ張っていく人物よりも、誰かに引っ張ってもらって一緒にがんばっていく、という役が多かったので、今後は今回の役のように先頭に立つような役もやっていきたいです。きっとこれから年齢と共にそのような役も増えていくんだろうなとも感じています。
ーーいよいよ『風の向こうへ駆け抜けろ』後編の放送が目前に迫っています。最後に本作の注目ポイント、見どころを教えてください。
厩舎メンバーが再生していく姿が一番の見どころだと思います。後半はレースの話にもなっていきますが、今回この作品を通して思ったのは、競馬には本当にいろんな役割があるということです。乗る人、お馬さんを世話する人、調教師…いろんな人たちの結晶がレースだと感じました。一人では何もできないということや、周りの人の支えの大切さが濃く出ているので、ぜひ見ていただければと思います。
【「土曜ドラマ『風の向こうへ駆け抜けろ』」概要】
放送時間:後編 12月25日(土)21時00分 ※前編 12月25日(土)10時5分 再放送
放送局:NHK総合