小道具も見逃さないで! 『ハリー・ポッターと秘密の部屋』に隠された“秘密”

特集・レポート
2020年10月30日 12:30

■ロンの家柄を象徴するローブ

並ぶとロンだけ色あせている 写真提供:AFLO
 ウィーズリー家と言えば、たくさんの子供たちと優しい両親の姿が印象深い。さらに魔法界で身寄りのないハリー(ダニエル)に親身になり、世話を焼いてくれた家族でもある。ウィーズリー家は、ロン以外にロンの兄が5人、妹が1人おり、特徴はみんな赤毛。揃ってグリフィンドール寮の出身または在籍であり、けっして裕福とはいえないが温かい家庭環境だ。そんな背景もあり、男兄弟の中で一番末っ子のロンは、実はおさがりばかり。『ハリー・ポッターと秘密の部屋』で吼えメールをもらうシーンでは、隣に並ぶハリーと比べてロンのローブが色あせ、若干傷んでいるのが見て取れる。さらにエンブレムも他のローブから切って足したようなデザインになっており、ロンの家庭環境が垣間見える衣装となっているのだ。

■ルシウス、“あの呪文”を使っていた

子どもに本気の魔法をかけようとするルシウス・マルフォイ 写真提供:AFLO
 本作のクライマックスでは、ルシウス・マルフォイ(ジェイソン・アイザックス)が3つの「許されざる呪文」の1つである死の呪文「アバダ ケダブラ」を唱えようと、「アバダ…」まで口走るシーンがある。ネタバレになってしまうため詳細は省くが、ある事情で唱えられるこの呪文は、またある事情により失敗に終わる。しかし『ハリー・ポッターと秘密の部屋』の公開当時は、この呪文にどんな意味があるか、どんな力が込められたものなのかは知らされていなかった。相手を瞬殺する死の呪文「アバダ ケダブラ」が登場するようになるのはまだ先の話である。『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』(2011年)までの公開が終わっている今、このシーンに注目して観ると、ルシウスがハリーに対してどのような感情を抱いていたのかが、改めてよくわかる。

■『ハリー・ポッターと秘密の部屋』だけの秘密

思わず笑ってしまう、ロックハートの“その後” 写真提供:AFLO
 実は『ハリー・ポッターと秘密の部屋』は『ハリー・ポッター』シリーズの中で唯一、ポストクレジットシーンが用意されている。ポストクレジットとは、エンドロールの後に用意されたいわゆる“おまけ映像”だ。『ハリー・ポッターと秘密の部屋』ではエンドロールの後にロックハートの、思わず笑ってしまう“その後”が描かれている。ほんの短いシーンだが、ロックハートらしさが溢れるこのシーンはキャラクターへの愛が詰まっており、本作においてロックハートがいかに、愛すべき残念キャラであるのかが伺えるだろう。

 第1週目も多いに盛り上がった「4週連続ハリポタ&ファンタビ!祭り」。第2週目に当たる『ハリー・ポッターと秘密の部屋』でも、ぜひ細部まで目を凝らして鑑賞して欲しい。思わぬ魅力に気がついたり、面白いトリビアを発見できるかもしれない。この後も『ハリー・ポッター』シリーズの放送は続く。ファンにとっては至極の4週間となるだろう。

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Nana Numoto(ライター)

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