いつでも気軽に楽しく見れる“さっくり系韓国映画”3選
韓国映画といえば、“ノワール作品”がまず思い浮かぶのではないでしょうか。『シュリ』(2000)をはじめ、『オールドボーイ』(2004)、『チェイサー』(2009)、『アシュラ』(2017)など、容赦なく追い詰める傑作を見るには、それなりの心の準備も必要です。今回ご紹介する韓国映画は、何も準備するものはございません! いつでも“気軽に、楽しく、面白く”見られる作品をピックアップしました。(文=ヨシン)
【写真】“さっくり系韓国映画”一覧
■約2時間あっという間のサバイバル・パニック
あっという間の104分。有毒ガスから逃れる主人公を追いかけるゲームのような映画『EXIT』(2019)は、手に汗握るサバイバル・パニックで、韓国では、940万人以上の観客動員数を記録し大ヒットとなった作品です。
『EXIT』ブルーレイ&DVD発売中 発売・販売元:ギャガ (C)2019 CJ ENM CORPORATION,FILMMAKERS R&K ALL RIGHTS RESERVED
舞台は韓国のある都市部。ホテルで母親の古希を祝う会に出席していたヨンナム(チョ・ジョンソク)は、大学時代に思いを寄せていた山岳部の後輩ウィジュ(ユナ)と再会します。その頃、原因不明の有毒ガスがまん延した街中はパニック状態に。ヨンナムの家族と親戚らは救助されますが、取り残されたヨンナムとウィジュは絶体絶命の大ピンチ。
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そんな二人が山岳部で培った知恵を活かし、ロープやチョークを駆使して有毒ガスから逃げていくのが本作の見どころ。地上数百メートルの高層ビル群を命綱なしでよじ登り飛び移っていく姿は、目を離した隙にゲームオーバーになりそうで一瞬もよそ見できません。「タタタタタタタタタ...」と、人々がビルの屋上でスマートフォンのライトを使いモールス信号を送るシーンも印象的です。
本作が初主演映画となったユナは、正義感が強いわりに全力の泣き顔を度々見せるウィジュを演じ、そのコロコロと変わる表情が印象的でした。ヨンナム役のチョ・ジョンソクは好きな人と生き延びるために、弱音を吐きながら強気な行動で突破していく青年を好演しています。
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