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正妻と妾の“シスターフッド”作品『清越坊の女たち』 タイプの違うヒロイン2人から学ぶ“女性のあり方”

アジアドラマ

『清越坊の女たち~当家主母~』沈翠喜役のジアン・チンチンと曽宝琴役のヤン・ロン
『清越坊の女たち~当家主母~』沈翠喜役のジアン・チンチンと曽宝琴役のヤン・ロン (C)2022 Huanyu Entertainment Co.,Ltd.

 18世紀の清代を舞台にした中国時代劇ドラマ『清越坊の女たち~当家主母~』は、伝統織物を作る女性たちの生き様を鮮やかに描き出す感動作。本作の大きなテーマになっているのが、最近ムーブメントとなっている、連帯する女性の絆を示す“シスターフッド”。正妻と妾という2人のヒロインを通して描く、封建社会に生きる女性たちの“シスターフッド”とは? これまでにない現代的な見どころを紹介していきたい。

【写真】正妻VS妾! 沈翠喜役のジアン・チンチンと曽宝琴役のヤン・ロン

■“正妻” 厳しくも情の深い、愛されることを知らない女主人

(C)2022 Huanyu Entertainment Co.,Ltd.
 伝統織物を継承する任家の女主人・沈翠喜(しんすいき)は、夫・任雪堂(じんせつどう)に愛されていない正妻。早くに両親を亡くして任家で育った彼女は、任雪堂が愛しているのは幼なじみの曽宝琴(そほうきん)だと知りつつ、彼に嫁いで工房・清越坊を取り仕切るようになった。そして、織物の技術や商売のセンスに秀でた沈翠喜は業界でも一目置かれる存在となり、やり手の厳しい女主人として名を馳せる。

 そんな彼女は一見冷たいように見えるが、心は人情深く使用人たちへの思いやりも忘れない。そのため任家での人望は厚く任雪堂からも信頼されているが、彼女の心は満たされずいつも孤独。真に愛されることを知らない彼女は愛を求めているのだった。

■“妾” 自分に正直に愛を貫く、男性の心を掴む美しい元令嬢

(C)2022 Huanyu Entertainment Co.,Ltd.
 一方、任雪堂の妾となる曽宝琴は、身分の高い令嬢として贅沢に育った女性。自尊心が強く心のままに生きてきたが、父親が汚職の罪に問われて一族は没落。彼女も牢獄での苛酷な日々を経て卑しい身分に落ちた。それでも幼なじみの恋人・任雪堂に再会したい一心で妓楼での生活に耐え、何があっても生き抜く大切さを学んだ曽宝琴。彼女はその後、任雪堂によって妓楼から救い出されると、時にずる賢く男心を掴む手練手管を使って彼の心を離すまいとする。

 しかし、妾という立場は高貴な生まれの彼女にとってあまりに屈辱的なものだった。曽宝琴は任家に入れば庶民出身の沈翠喜にかしずいて仕えなければならないという現実と手放せない愛のジレンマで苦しむ。

■対立する2人のヒロインが葛藤を乗り越える感動ストーリー

 そんなヒロイン2人は正妻と妾という立場で敵対し、怒った沈翠喜が別宅で密会中の任雪堂と曽宝琴の元に乗り込んでいく場面も。さらに、任雪堂がある陰謀に巻き込まれて失踪し、曽宝琴が任雪堂の第一子となる息子を産むと、沈翠喜が曽宝琴の息子を任家の跡取りとして引き取り、息子を奪われたと恨む曽宝琴と対立が深まっていく。

(C)2022 Huanyu Entertainment Co.,Ltd.
 ところが、彼女たちの前に第二の男性、魏良弓(ぎりょうきゅう)が現れたことが大きな転機に。教師として任家に雇われた魏良弓と心を通い合わせた沈翠喜は本当の愛を知り、魏良弓を弟のように思って世話する曽宝琴は2人の秘めた恋を見守ることになる。

 こうした過程を経て、沈翠喜と曽宝琴が葛藤を乗り越え互いを理解し合うようになり、任家に縛られるのではなく自分たちの力で任家を守るために手を取り合っていく展開は鳥肌もの。男性社会の中で不平等な立場に置かれた権利も自由もない彼女たちが、どうやって腹黒い役人たちの陰謀に立ち向かい、伝統織物の技術を継承していくのか? それを力強く描き出すストーリーと、彼女たちが波瀾のロマンスを通して自立した女性へとたくましく成長していく姿には、誰もが大きな共感と感動を覚えるはず。現代的な視点で女性のあり方を見つめ直す新しい中国時代劇を、ぜひじっくりと味わってほしい。

 『清越坊の女たち~当家主母~』DVDリリース中。U‐NEXTで独占先行配信開始中。

「清越坊の女たち~当家主母~」女主人・沈翠喜が紡ぐ美しき織物と温かい愛
「清越坊の女たち~当家主母~」愛を歌う元令嬢・曽宝琴

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