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『相棒』2000年の第1回を見てみたら…右京さんがティーポットを高くあげない!

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■ ティーポットを高くあげない!

 『相棒』シリーズの名物の1つが、右京の「紅茶注ぎ」だ。右京が、好物の紅茶をティーカップに注ぐとき、右手のポットを肩のあたりまで高く持ち上げる仕草としてファンにはおなじみ。昨年には、水谷が他局の番組『FNS歌謡祭』(フジテレビ系)に出演したときにも「紅茶注ぎ」を披露し、もはや『相棒』、そして水谷自身の代名詞になっている。

 単発初回でもさっそく「紅茶注ぎ」が飛び出すのだが…。右京はティーポットをほとんど上げない。なんともそっけない紅茶をカップに注ぐ「普通の仕草」で、ほかの人物がやるなら気にならないが、右京がやるとかえって違和感さえ出てくる。名物「紅茶注ぎ」は、シリーズの続く中で編み出されていったものだった。

 そのほか、右京には「おやおや」「妙ですねぇ…」などおなじみの口癖がある。単発初回でも、捜査現場を訪れたときなど何度か違和感を催す瞬間、すなわち「おやおや」「妙ですねえ…」を発するチャンスがあるのだが、右京はそれらを一向に口にしない。こうした口癖も、シリーズが進むに連れて徐々に肉付けされていったのだろう。

■ 論理派&直情派で分かりやすい!

 単発初回では、ある警官の刺殺事件を捜査していた右京と薫が、警視庁幹部が拳銃ブローカーから密輸拳銃の横流しを受けて摘発実績を水増ししていた、という警視庁を揺るがす一大スキャンダルを暴き出すことに。のちに映画『日本で一番悪い奴ら』にもなった“警察史上最大の不祥事”「稲葉事件」を彷彿とさせるエピソードだ。出世に取り憑(つ)かれたノンキャリアの幹部と、警察キャリアでありながら出世欲のない“特命係”杉下右京、という鮮やかな対比が浮かび上がり、見ごたえたっぷりの刑事ドラマに仕上がっている。

 対比といえば、単発初回は、「論理的な右京/直情的な薫」という全く違う性格の2人が織りなす「バディもの」としてすでに確立されている。2人の対比がとてもキャッチーで分かりやすい。

 シリーズはスタートしてから20年を超える。長年のファンにとっては、これまで登場してきた性格の違う4人の相棒それぞれに思い入れがあるだろうが、“おっちょこちょいで直情的な薫”がトップバッターとして右京と組んだからこそ、長く愛される刑事ドラマになったのだと感じる。

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