『鬼滅の刃』“クズ鬼”大集結! 耳を疑う悪鬼迷言集 人知及ばぬサイコパスから小物すぎて引いちゃう鬼まで
上限のクズ鬼といえば、上弦の伍・玉壺と上弦の肆・半天狗も外せない。玉壺は人間時代から子どもを殺して壺に詰める、漁に出て亡くなった親の水死体を見て美しいと感動する狂人だった。鬼になってからも、子どもの肉を喰うことと自身の身体を改造することが好きなヤバい奴だ。獪岳と同じく小物感のあるキャラクターだが、アニメでは奇抜な見た目や幼稚でコミカルな性格を声優・鳥海浩輔が熱演すると妙なかわいげが出てしまい、一部ファンからカルトな人気を集めている。
芸術家を自称しているが完全に感性が狂っており、刀鍛冶の里で時透無一郎たちと遭遇した際は、刀で串刺しにした鍛冶師たちを「“鍛人(かぬち)の断末魔”でございます」と、得意気に見せびらかして無一郎の逆鱗に触れた。その後は煽りスキルの高い無一郎との悪口合戦で「口を閉じてろ馬鹿餓鬼が!!」「それは貴様の目玉が腐っているからだろうがアアアア!!!」など子どもlの負け惜しみのようなセリフしか出て来ず、語彙の乏しさが露呈した。
半天狗は設定、セリフともに申し分のないクズ鬼のエリートだ。人間時代は幼い頃から嘘ばかりつき、盲目を装って窃盗と殺人を繰り返していた。自分の都合のいいように解釈を捻じ曲げる思考の持ち主だったせいか、盗みを咎めた人間を殺した際は「儂が悪いのではない!! この手が悪いのだ」と、耳を疑う迷言を吐いている。
鬼になっても身勝手な性根は変わっていない。人間を殺すことに何のためらいもない一方で、いざ自分が竈門炭治郎に追い詰められると「儂がああああ可哀想だとは思わんのかァァァァア!!!」「弱い者いじめをォするなああああ!!!」と激怒。逃走時には「儂は生まれてから一度たりとも嘘など吐いたことがない」と、信じられないような自己分析をしている。
それぞれおぞましい設定やエピソードを持つ鬼たちだが、皆に愛される善人だけでなく嫌われ者の悪役も素晴らしい作品に欠かせない存在だ。親である作者が登場人物の思考、行動、セリフと向き合い、途方もない作業を経て生まれた悪役たち。時におぞましく、時に憎らしく、個性豊かに作品に華を添え、見る者の記憶に残り続ける。(文:二タ子一)