『ばけばけ』1ヵ月、ここまでを勝手に評価! いろんな意味で“朝ドラっぽくない”新鮮展開&キャラ
放送スタートから約1ヵ月が経過した、朝の連続テレビ小説『ばけばけ』(NHK総合ほか)。主演の高石あかりが明治時代に日本国籍を取得したラフカディオ・ハーンこと小泉八雲の妻・小泉セツをモチーフとした没落士族の娘・松野トキを演じる本作。のちの小泉八雲となるヘブン(トミー・バストウ)はまだ登場して数話だが、ここで一度ここまでの『ばけばけ』を勝手に評価してみたい。
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■波乱万丈度:★☆☆
ここまで1ヵ月。松野家では父が事業に失敗して大借金を背負い、トキは2度の見合いを経て結婚。さらに、両親だと思っていた2人は実は育ての親であり、いつも目を掛けてくれたおじさまおばさまが本当の生みの親であったことを知ったり、そのおじさまが亡くなったり、逃げた夫を追い上京したり、夫と別れたり、運命の人と出会ったり……こう並べて書くとものすごく波乱万丈な1ヵ月だったと言えるだろう。
とはいえ、『ばけばけ』ではどこかずっとゆるい笑いが携えられており、はたから見ればかなり重い展開でもなんとなく「あ~、まあ人生そんなこともあるか」と受け流せるような空気が流れている。放送の最後に主人公のビックリ顔のカットが入って、明日はどうなるんだ!? とやきもきさせられることもあまりない。朝ドラとしてはちょっと新鮮だ。そんな意味で、視聴者の心の落ち着きを加味して波乱万丈度は星一つとした。
■朝にピッタリ度:★★☆
明治初期が舞台の本作。幕末から明治を描いた『あさが来た』以来の時代設定であり、朝ドラではまだまだ珍しい。さらに、その主人公が大好きなのは「怪談」。朝から怪談…? と身構えた人もいるかもしれない。ヒロイン・トキも、前作『あんぱん』ののぶ(今田美桜)のように元気いっぱい走り回る“ザ・朝ドラヒロイン”という感じではなく、愛する怪談にニヤニヤする姿はどちらかというと“オタク”っぽい。従来の朝ドラ感はちょっと薄めに感じるものの、そのテンポや空気が朝に意外とマッチして心地良い。とはいえこの空気感、深夜に甘いものでも食べながらゆったり見ても心地良いはずだ。
また、オープニング主題歌「笑ったり転んだり」を歌う、夫婦デュオのハンバート ハンバートの優しい歌声も本作にピッタリ。ゆったりしたテンポで、恨めしい世の中でも手を取り合い笑顔で夫婦2人歩いていく情景が目に浮かぶ。合わせて流れるオープニング映像は、トキとヘブンのラブラブな写真がスライドショー的に展開。この夫婦、まだ劇中で目立った会話もないが、すでに推せる。

