『ばけばけ』1ヵ月、ここまでを勝手に評価! いろんな意味で“朝ドラっぽくない”新鮮展開&キャラ
『ばけばけ』には、なんとも“自由”なキャラクターが多い。トキの祖父の勘右衛門(小日向文世)は明治になってもずっと髷を結い、父・司之介(岡部たかし)は事業に失敗し一家でボロボロの長屋に引っ越すことになってもあっけらかんと笑っている。娘のトキもまた、時には人生のうらめしさに取り乱しつつも、貧乏を悲観することなく、かといって天真らんまんすぎず、一度は上京するも現在は松江ライフを謳歌中。そしてトキののちの夫となるヘブンは、初めての日本に「スバラシ!」を連発しながら超マイペースな振る舞いで周りを「天狗じゃ…」と驚かせている。彼らのセリフ回しも、軽妙なテンポとコミカルなやりとりは決して“明治らしく”はないが、小気味よくてずっと聞いていられる。
そんな自由人たちのあおりを食らっていたのが、トキの夫の銀二郎(寛一郎)だろう。婿に入った家は一生働いても返せないような借金を抱えており、朝から朝まで働かなければ妻が遊郭に売られてしまうかもしれない。なのに、その家の男性陣(とくに祖父)は明治の世でも“家の格”ばかり重んじる武士。これでは逃げ出したくもなる…。結果的にトキとは別の道を歩むこととなったが、家のことを差し置けばとても相性のいい2人だったので、もし別の出会い方をしていたら…と想像してしまう。
また、トキが東京で出会った秀才・錦織友一(吉沢亮)も、銀二朗とはまた違った意味で大変そう。自由な人々の“ツッコミ役”となっているのだ。松江の“大磐石”といわれる秀才で、数少ない英語話者としてヘブンを迎えるが、初対面からめちゃくちゃ振り回されていた。国宝級の美しき顔面を誇る吉沢だが、こういったコミカルな役での輝きは一級品。今後、トキとヘブンに大きく関わっていく役どころと思われるが、2人にさらに振り回される錦織にも期待したい。(文・小島萌寧)
引用:『ばけばけ』公式インスタグラム(@asadora_bk_nhk)

