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ハリウッドでクリスチャン映画がブーム 神父対象のマーケティング試写も実施

映画

2位デビューの好成績をおさめた『Heaven Is For Real(原題)』
2位デビューの好成績をおさめた『Heaven Is For Real(原題)』(C)AFLO

 2014年は、クリスチャン映画の年。そう呼んでいいほど、今年になってから、アメリカではクリスチャンをターゲットにした映画が次々に公開されている。『十戒』や『最後の誘惑』など、過去にも聖書にもとづく映画は製作されてきたが、これほど多くの作品が短い期間に集中して公開されるのは、めずらしいことだ。

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 最も話題を集めたのは、3月に北米公開されたダーレン・アロノフスキー監督、ラッセル・クロウ主演の大作『ノア 約束の舟』公開前にはいくつか論議を巻き起こしたりもしたが、結果は大ヒットで、すでに全世界で3億ドル弱の興行成績を上げている。

 その1週間前に公開された『God’s Not Dead(原題)』も大成功。4月16日に公開されたランドール・ウォレス監督の『Heaven Is For Real(原題)』も、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』に次いで堂々の2位デビューを果たした。製作予算は1200万ドルだが、最初の5日で、3000万ドル近い北米興収を上げている。2月に公開された『Son of God』も、初日3日で2500万ドルを売り上げ、初登場2位を獲得。現在までに北米で5900万ドルを達成した。

 アメリカでは、大人の76.5%がクリスチャンを自称すると言われる。巨大な市場である上、もともと聖書に強い関心を持っている人々の集まりなので、うまく行けば巨額のボックスオフィスが見込めるわけだ。メル・ギブソンが自らのポケットマネーで製作し、結果的に6億ドル以上の世界興収を上げてみせた『パッション』が、良い例。その一方で、彼らが最も大切にするものを扱うわけなので、細心の注意を持って挑むことが必要となる。彼らの反感を買うことを恐れたパラマウントは、『ノア~』の公開前に、『この映画は、ノアの物語にインスピレーションを受けて作られたものです。クリエイティブ面での選択もなされていますが、最も重要な部分では、世界中のみなさんが信じていることに忠実だと信じます』というただし書きを発表している。

 また、神父さんたちへのサービスも重要。『God’s Not Dead』は、公開の2ヵ月前から、8000人の神父を試写に招待するマーケティング戦略を行った。彼らが教会で信者さんたちに口コミをしてくれたおかげか、わずか300万ドルで作られたこの映画は、映画レビューサイト「Rotten Tomatoes」で13%という批評を集めたにも関わらず、3週間で3500万ドルを売り上げ、大きな利益を出している。デジタルの時代においても、映画によっては、まだまだアナログなアプローチが功を奏するのだ。(文:猿渡由紀)

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