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ネット検索で新たに浮かび上がってきた問題「忘れられる権利」を振り返る

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個人情報保護の一つとして、EU司法裁判所で認められた「忘れられる権利」とは(※イメージ画像)
個人情報保護の一つとして、EU司法裁判所で認められた「忘れられる権利」とは(※イメージ画像)(C)AFLO

 個人情報保護にまつわる「忘れられる権利」への関心が、EU(欧州連合)から世界へと広まりつつある。ネット上にある自身への不名誉な発言などを削除できるとされる権利だが、言論の自由や報道の自由と、プライバシーのどちらを重視すべきかという点で、各所で様々な議論が繰り広げられている。今やネットには無数の個人情報が散見されるが、いま一度、この問題を振り返っていきたい。

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 世間の関心を広く集めるきっかけになったのは、2014年5月、EU司法裁判所で下された判決だった。社会保険料滞納の理由からかつて、所有していた不動産を競売にかけられたスペイン人の男性が、1998年に書き込まれた競売の広告がネット上へ残っていると知り、検索サイト最大手のGoogleを相手に訴訟を起こしたのだ。滞納からしばらくして、男性は社会保険料を収めたものの、いまだ閲覧可能となっていたリンクが自身にとっての「不利益」だとして訴えを起こしたという。

 この裁判にあたり、EU司法裁判所は「忘れられる権利」を個人情報保護の一つとして、認める判決を下した。情報通信総合研究所がWeb上で公開している判決の仮訳(http://www.icr.co.jp/newsletter/law/2014/law201402-1.html)にもとづき、その内容を解釈すると「公開当初はたしかに事実だったとしても、時間の経過により、情報の対象となる人物にとって不利益、または適切でないと判断されるようになった場合には、対象者からの要請に応じて、情報を取り扱う者が削除に同意すべきだ」という旨の見解を示している。

 この判決を受けて、Googleは裁判と同月である2014年5月から、ユーザーからの削除願いを受け入れはじめた。2014年8月現在、日本版のGoogleからも、ユーザーは情報の削除を依頼できる(http://support.google.com/websearch/troubleshooter/3111061?hl=ja)。削除依頼は、検索結果からいっさいの情報を削除するよう求めるか、検索結果に表示されないよう求めるかの二種類から選べる。

 尚、ITproが2014年7月5日に掲載した記事(http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/news/14/072500212/)によれば、同月時点での削除依頼は「9万1000人」、対象となったリンクは「32万8000人」にのぼっているというが、膨大な件数だからか、Googleは現状ですべてに対応しきれてはいないという。

 また、現状では、先の判決を受けたEU版のGoogleにのみ適用されている。そのため、例えば、削除依頼が受け入れられたものであっても、日本やアメリカなど、他国のサイトからは検索結果が閲覧できるという事態もあるようだ。Googleはじめ、ネット上の各検索サイトなどがどのように対応していくのか、ユーザーにとっては、今後の動向もけっして無視できないといえそうだ。(文:カネコシュウヘイ)

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