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現在60歳のヒュー・グラント 逮捕、女優との不仲、引退危機 波乱万丈人生を振り返る

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■俳優引退の危機

 順風満帆、無敵にも思えたヒューのキャリアも、その後暗雲が立ち込める。『ラブソングができるまで』(2007)の頃から出演作が激減し、続く『噂のモーガン夫妻』(2009)の興行的失敗が決定打に。また、時期を同じくして、『ノッティングヒルの恋人』(1999)の撮影中に初めて見舞われたという、パニック障害の症状が悪化。『ラブソングができるまで』は抗不安薬を服用しながら撮影に挑んだと明かしている。

 露出の激減とパニック障害の報道もあって、一時は俳優引退がささやかれたが、実際は仕事が減ったというのが内情だったよう。態度の悪さが原因でオファーが来なくなったと話しており、「あの時、僕がハリウッドを見限ったのではなく、ハリウッドが僕を見限ったんだ」「高額ギャラをもらう主演男優の日々は一夜にして消え去った。若干キマリが悪かったけど、ほかのことをする自由な時間ができた」と後に振り返っている。

■私生活では5児の父に

 自由な時間ができたことで、充実したのがプライベートだ。ラブコメの役柄と同じく、モテモテの独身貴族がパブリックイメージだったヒューだが、2011年、中国人女優ティンラン・ホンとの間に長女タビサちゃんが誕生。中国名を「うれしいサプライズ」という意味のシャオシーといい、トーク番組で嬉々として「シャオシー!」と叫んでいたのには驚いた。

 続けて翌年、当時恋人だったアナ・エリザベット・エーベルシュタインとの間に、長男ジョンくんが誕生。さらに同年、ティンランとの間にも男の子が誕生しているから、少なくともこの頃まではハチャメチャぶりは健在だった。

 そんなヒューも、アナとの間にさらに2人の子どもを授かり、2018年には地元の役所にてついに結婚。2つの家族は近所に居を構えており、ヒューは意外にも父親業を楽しんでいる様子。ツイッターには、子どもと一緒に遊んでいることをうかがわせる投稿もアップされている。

■プライベートの変化がキャリアにも好影響

 プライベートの充実は、仕事の面でも良い影響を及ぼしているようだ。2016年に公開された『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』では、名優メリル・ストリープの夫を演じ、『アバウト・ア・ボーイ』以来14年ぶりにゴールデングローブ賞にノミネート。役柄の幅も広がり、ゴールデングローブ賞のほかエミー賞にもノミネートされた『英国スキャンダル ~セックスと陰謀のソープ事件』(2018)では、七三分けスタイルで、保身のためにゲイの恋人暗殺を画策する政治家を好演。『パディントン2』では、ヒュー本人を思わせる落ちぶれた俳優役で(実際に彼を念頭に書かれた)、ハゲ頭や女装など七変化を見せている。実際、“ここ10年で俳優として良くなったけどなぜ?”と人に聞かれるそうで、子どもが出来たせいかもしれない、と話している。

 現在放送中のドラマ『フレイザー家の秘密』(BS10スターチャンネル)では、ニコール・キッドマン演じる臨床心理士グレイスの夫で、医師のジョナサンを演じる。息子の通う私立校の保護者が殺され、同時にジョナサンは失踪。事実が次々と明らかになり、グレイスの完璧だった人生が崩壊していく…というサスペンスだ。第1話のヒューはリッチでハンサムな魅力を振りまいたが、今後はただの“よき夫”では終わらない予感。ジョナサンの本性をヒューがどのように演じるのか注目だ。

 ラブコメのプリンスと呼ばれた時代の数々の役柄も、実は入念な役作りの上に演じていたヒュー。当時の過小評価には歯ぎしりしたというが、波乱万丈を経て60代になり、彼の演技派としての可能性はますます広がっている。(文・寺井多恵)

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