松下洸平、出世作『スカーレット』から5年 走り続ける原動力は「素敵な作品に巡り合えたことがすべて」
牧野は、メガネ、白衣、一見とっつきにくそうな見た目だが実は抜けてるところもある、という人物。松下洸平×メガネ×白衣は、ファンの心をぐっとつかみそうな組み合わせだが、自身の白衣姿を見た感想を「原作のキャラクターに近いものでチョイスしたので、そこがちゃんとブレていなくてよかったなと思いました。髪形とメガネもあわせて白衣を着ると、ちゃんと原作の牧野先生に寄せられているなと安心しました」と語る。
今回、これだけ大勢の子どもたちと共演する経験も松下にとっては初めてのことだ。「みんな礼儀正しい子たちばかりでビックリしました。自分が彼らと同じ年齢の時に同じことができたかと言われたら、絶対できない。要求されたことに対してしっかりと応えていく姿はすごく心強いです。『みんな頼もしいな!』って思いました」と太鼓判。「慣れない現場で緊張してしまうこともあると思うし、自分の気持ちや心をコントロールしきれない部分もあると思うので、そこはサポートしつつ、ことお芝居に関しては同じ共演者の1人として、時には話し合いもしながら一緒に作品を作っていきたいと思ってます」と、“松下先生”の優しい顔を見せた。
2009年のBROADWAY MUSICAL『GLORY DAYS』で俳優としてのキャリアをスタートさせてから15年。一躍注目を浴びるきっかけとなった朝ドラ『スカーレット』からは5年が経った。これまでの道のりをどう受け止めているだろう?「目まぐるしかったなとは思います。大変だった分、それと同じくらいたくさんの人に出会えたので、ありがたかったなと思うし、そういう人たちのおかげで今があるので、この5年で出会えた人たちに対して、これから先にどれくらい恩返しできるかなと考えたりしています」。
今年は本作に加え、大河ドラマ『光る君へ』や映画『室井慎次』シリーズに出演。さらには自身のライブツアーに舞台『母と暮せば』があり、『with MUSIC』も始まった。フル回転の仕事ぶりが続くが、その原動力は「素敵な作品に巡り合えたことがすべて」だときっぱり。「今回の『放課後カルテ』も、原作を読ませていただいて、本当に素敵で面白いなと思ったんです。自分に務まるかどうかという不安ももちろんありましたが、こうしてお声がけいただいて、皆さんとものづくりができる。今回は『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』でご一緒したスタッフさんが多いので、心強いものもあります。本当に楽しいし、好きでやっているので、それがすべての原動力になっているんじゃないかと思います」と明かす。
「自分の心と体が続く限りは頑張りたい。その代わり、嫌いなものや苦手なものに対してまったく興味を示さないのが問題なんですけど」と笑う松下。初主演にも平常心で作品と向き合い、また新しい魅力を見せてくれることは間違いなさそうだ。(取材・文:竹村ユウヒ 写真:松林満美)
ドラマ『放課後カルテ』は、日本テレビ系にて10月12日より毎週土曜21時放送。