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小関裕太、20年超のキャリアを重ねて30歳に 10代で経験した転機と意識の変化とは?

エンタメ

◆20年を超えるキャリア 14歳と18歳で迎えた意識の変化



――『波うららかに、めおと日和』で演じられた深見さんは大好評でした。

小関:作品自体がすごく面白いという反響と、僕が演じていた深見が原作でもすごく魅力的だったんですけど、「小関がこういう役を演じるんだ」っていう驚きも含めた反響をいただきました。作品全体とキャラクターそれぞれへの反響をすごく肌で感じた作品です。

――『いつか、ヒーロー』『御曹司に恋はムズすぎる』など映像作品でもご活躍ですが、小関さんにとって舞台と映像の違いはどんなところにありますか?

小関:この数年、経験すれば経験するほど、映像と舞台って別物だなと感じています。でも同じお芝居という軸の中で、舞台から得るものと映像から得るものそれぞれ違っていても、舞台から得たものが映像に生きることもあるし、映像で得たことが舞台に生きることもあるんですよね。両方から養分を得て面白い役者さんになっていけたらうれしいなと思っているので、どちらも真剣に向き合いたい居場所という感覚です。

――今年は初舞台から20年。デビュー作の思い出を教えてください。

小関:大人たちってすごいなって思いました。劇団スーパー・エキセントリック・シアター、SETの本公演にオーディションを受けて参加したのですが、三宅裕司さん、小倉久寛さんをはじめとして皆さんダンスやアクションもできるし、お芝居もできる。沖縄が題材だったので三線を弾いたりエイサーを踊ったりするシーンがあったりと、ものすごくやることが多い中でプロフェッショナルかつストイックに向き合っていてすごいなと、子どもながらに熱量をビシビシと感じたことを覚えています。

――面白いと怖いでは、どちらの感情が強かったですか?

小関:それがまったく緊張しなかったんですよね。当時は仕事という意識がなかったので、歌って踊って楽しいなとやっていたので、プレッシャーもなかったです。

――そうした意識が変わられたのはいつぐらいからですか?

小関:1つ目は14歳。進路を考える上で、芸能のお仕事に配慮してくれる高校に行くためには周囲よりも早めに進路を決めなきゃいけなかったんです。勉強も好きだったので、「僕は本当に芸事でずっとやっていくのかな」と覚悟を決めなきゃいけなかった。当時は自分の未来を一つに決めると、選択肢がぐんと狭まる気がしたんですよね。どうせやるんだったら早くから自分のやりたいことに注力していきたいという思いもありつつ、決める勇気もなくて。結果、続けるという進路を選んだことで、真剣にやっていくんだと自分自身に言い聞かせて、そこからお仕事として感じ始めようとしました。

もう1つは18歳の初主演舞台のころ。岸谷五朗さんが演出の作品だったのですが、自分のできなさにものすごく向かい合わないといけなかったんです。自分の欠点を全部当てられちゃう感じだったんですよね。自分で考えて改善して「できました!」って見せても、次のゴールを渡されてずっとマラソンを走っているような、いつまで経ってもゴールにたどり着けないし、褒めてももらえないという状況が続いて、なんでできないんだろうと、自分のできなさとずっと向き合った時期でした。

改めて、自分は本当にこの仕事がやりたいのかなと考えたりもしたんですけど、こんなに悔しいと感じるということは、この仕事に真剣に向かい合ってみたいのかもしれないと感じて。その悔しさ、痛みが理由で役者を続けようと思いました。


――そうしてキャリアを重ねられて、6月に30歳を迎えられました。これからどんな30代を送りたいと考えられていますか?

小関:20代に入った時は、20歳になる、大人になるということが楽しみではありましたが、駆け込んで20歳になったという思いが強かったんです。焦って節目を迎えるのは嫌だなと思い、30代に向けてある種10年間の役作りみたいな感覚で20代を過ごしました。なので、40歳に向けて、もう新しい役作りが始まっている感じです。

これまでいろんな人を見てきて、40歳までに何を大事にしてきたのか、どういう人、どういう作品、どういう思いを大事にしてきたのかが、その人の40歳に表れるんじゃないかなと思っているんです。「カッコイイなこの人!」って思える40代には30代を楽しんできた方が多くて、そういう人になりたいと思っています。自分にとって楽なものや楽しいものをチョイスしていくだけじゃなく、こういうものを大事にしたいという軸を持って、挑戦したり好きなものを選んでいきたいです。その結果こういう40歳になりましたというのをお見せできることが楽しみです。まずは30歳を迎えて新たなスタートとなる本作にしっかり向き合いたいと思っています。

(取材・文:近藤ユウヒ 写真:米玉利朋子[G.P. FLAG inc])

 KOKAMI@network vol.21『サヨナラソングー帰ってきた鶴ー』は、紀伊國屋ホールにて8月31日~9月21日、サンケイホールブリーゼにて9月27日~28日上演。

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