松下洸平、思い出深い『放課後カルテ』続編は「変わらないよさと変わっていく楽しみの両方が詰まった作品」
――この8ヵ月で児童たちも成長を遂げているかと思いますが、松下さんもミュージカル『ケイン&アベル』で主演を務められ、映画『遠い山なみの光』でカンヌ映画祭も経験されました。
松下:新しい世界を見たなと思います。ミュージカルもそうですし、カンヌに行かせていただいたり、今まで見たことのなかった景色がずっと広がっていたので、またあそこに行きたいなとか、またあの舞台に立ってみたいなとか、新しい目標がいくつかできた期間でした。
カンヌは初めて行かせていただきましたが最高でした。映画の現場の経験がそんなに多くはない中で、石川(慶)監督に声をかけていただけたのもうれしかったですし、世界的なレッドカーペットを歩かせていただけたのもうれしかったです。みんながカンヌに行きたいと思いながら作品を作っているのが分かった気がしました。
『ケイン&アベル』も、それこそ牧野先生としての撮影が終わって、翌日には稽古をやってたんですよね。無理やりハンドルをきって切り替えて(笑)。でもまったくの別世界の作品だからこそ振り切ってできた気がします。
――新しい景色をいくつもご覧になって、これからの活動へのお気持ちに変化は生まれましたか?
松下:海外の作品に出てみたいなという気持ちは強くなりました。日本とは全く違う作り方、違うスケールのものが多いと思うので経験してみたいですね。もちろん日本でしっかり結果を出すってことが一番やらなきゃいけないことですけど、それと同時に、違う世界の違う作り方というものにもとても興味があります。
――改めて、『放課後カルテ』という作品は松下さんにとってどんな作品でしょうか?
松下:まず、俳優として、主演をやらせていただけたということが大きな経験でした。そして、子どもたちの芝居から得るものもたくさんある現場でした。すごく器用にお芝居する子もいれば、不器用ながら一生懸命やっている子もいて、いろんな子どもたちの芝居を見て、すごく勉強になりましたし、彼らの取り組み方や一生懸命さにいつも励まされました。彼ら彼女たちが、僕ら大人をお手本にするときになるべくいいお手本になれるようにと心がけるようになりましたし、改めて自分の仕事というものへの向き合い方を考え直す機会もいっぱい頂けました。
地上波で初めての単独主演でもちろんプレッシャーもありましたし、今までとは違う責任感もある中で、視聴者の皆さんが毎回涙しましたと言ってくださったり、同じ病や悩みを抱えている方々からのメッセージもたくさん頂きました。そういうお声に僕らもまた励まされて、お互いに励まし合いながら作ることができた作品だと思っています。
(取材・文:近藤ユウヒ 写真:米玉利朋子[G.P.FLAG Inc.])
『放課後カルテ 2025秋』は、日本テレビ系にて9月24日21時放送。