永瀬正敏&佐藤浩市が現場で感じた、映画監督オダギリジョーの魅力
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映画『THE オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ MOVIE』場面写真(C) 2025「THE オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ MOVIE」製作委員会
――これだけ豪華な俳優陣が揃ってシュールな笑いを作り出す現場はどんな雰囲気なのでしょう。
オダギリ:自分は監督としてあまり余裕がないので、本当に日々淡々と撮影している感じだと思いますよ。
永瀬:監督は楽しそうに笑っている時もありますけど(笑)。こちらとしては、それがすごく助かる時、ありますよ。一生懸命やっているのに、みんなシラーッとしていたらなかなか気持ちも乗っていかないじゃないですか。その雰囲気作りを監督がしてくれる感じはしますけどね。
佐藤:山田組(山田洋次監督の現場。永瀬は『息子』『男はつらいよ 寅次郎の青春』に出演)とは雰囲気違う?(笑)
――(笑)。この3人に表現者として通じ合う点、共鳴する点などはありますか。
佐藤:この質問って、ちょっと難しいんですよ。世代によっても違いがありますし。でも、もしお互いの中から引き出しやすいものがあるとすれば、それはやっぱり作品は違っても共通の監督を知っていることと、そこでのつながりや結びつきをお互いの中で見つけられることですかね。作品を作る上で、実はそういうことが生命線になったりする時もある。
あとはやっぱり何を観てきたかがすごく大きい。それと、一緒に現場を合わせることの中で、肌が合うか合わないかは大きくて、どんなに良い役者さんでもダメな人はダメってこともあるし、そのあたりを自分たちがどう感じるかは作品に影響してきますね。
永瀬:なかなか難しい質問ですけど、まさにそうだと思いますね。その点、監督がどう思っているかは分からないですが、僕は(オダギリに)監督を続けてほしいと心から思っているので。もっといろいろやりたいこともあるでしょうし、いっぱい見せてほしいと思っています。
オダギリ:自分は映画ファンとして、お二人を見てきた世代なんですよね。いろいろな映画を観てきた中で、簡単に言うと、やっぱり好き嫌いはあるじゃないですか。お二人が関わった作品も、芝居自体も好きだったのは、お二人から出ている波長みたいなものを感じ取っていたんだろうし、浩市さんもおっしゃったように、同じ監督から呼んでもらえるのも、そういう波長が似ているからかもしれないですよね。『類は友を呼ぶ』じゃないですけど、結局は似た属性が集まるんだと思いますね。
(左から)永瀬正敏、オダギリジョー、佐藤浩市
――オダギリさんの今後の監督としての思いも聞かせください。
オダギリ:そこは本当に難しい話なんですよね(苦笑)。まず、この作品の結果次第のところが大きくて。映画作りは資金面含めて本当に大変で、結果が出ない監督に次はないんです。自分は売れる作品が作れるタイプではないし、ワガママに自分のこだわりを深めて行くしかないタイプなので、本当にフタを開けてみないと分からないです。もし奇跡が起きてうまくいったとしたら、またいつか撮るかもしれないですね。
永瀬:ぜひ撮りましょう。
佐藤:奇跡を起こしましょう。
(取材・文:田幸和歌子 写真:小川遼)
『THE オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ MOVIE』は、9月26日公開。