中沢元紀、『あんぱん』との出会いに感謝「いつか千尋みたいなカッコイイ男に」
――『下剋上球児』『ひだまりが聴こえる』、そして今回と1年に1度インタビューさせていただいていますが、デビューから3年が経って、どんなところが変わったなと感じられますか? 特にこの1年は中沢さんにとって重要な1年だったのではないかと思いますが…。
中沢:本当に濃い1年でした。変わった部分は……ほぼ全部(笑)。お芝居に対してもそうですし、台本の読み方も現場の居方も変わりました。
メンタルな部分もそうですね。自信がついたな、ちょっと余裕が出てきたな、視野が広くなったなと感じます。『下剋上球児』や『ひだまりが聴こえる』のときは、自分の芝居やシーンのことしか考えられていなかったです。現場でもあまり話しかけに行く余裕がありませんでしたが、『あんぱん』や『最後の鑑定人』を経て、自分のやることや役割を果たしつつも、いろんな人とコミュニケーションをとって現場の雰囲気を感じられるようになってきました。
――これまでは同世代が多い作品が続いていましたが、いろいろな世代の共演者の皆さんがいたことも大きいかもしれませんね。
中沢:同世代が一緒だとお互いに意識しあっていたと思います。でもそれは悪いことではないと思っていて、『下剋上球児』では絶対に必要なものでした。でも、『あんぱん』もそうですし、『最後の鑑定人』は若手が少なく、経験値の高い方たちばかり。(主演の)藤木(直人)さんにとってデビュー30年の節目の作品だったそうで。段取りやカメラワーク、カット割りなど全部分かったうえでお芝居されていたのがすごいなと思いましたし、とても勉強になりました。自分の30年後ですか? 1年後のことも想像できないので、まったく想像がつかないです(笑)。
――この後は、舞台『シッダールタ』という新しい挑戦も控えています。
中沢:舞台は初めてなんです。映像と舞台でもちろんお芝居も変わってきますし、1つの作品を生で、しかも何公演もやるというのは初めて。1ヵ月以上稽古をやるというのも初めてですし、なにもかもが初めてなので不安もあるんですけど、白井(晃)さんの演出で草なぎ(剛)さんが主演。たくさん揉まれて、役者として成長したいと思っています。草なぎさんは役によって変わられる方という印象があるので、お会いするのが楽しみです。
――映像作品も『君の顔では泣けない』(11月14日公開)、『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』(12月5日公開)と出演作が続きます。
中沢:ありがたいです、本当に。役柄が全く違うので、観てくださる方も楽しんでいただけるんじゃないかなと思います。これからもいろんな作品に携わっていきたいですし、悪役のほうの役の振れ幅も広げていきたいです(笑)。
――お忙しい毎日だと思いますが、最近ハマっていることはありますか?
中沢:リフレッシュも兼ねてですけど、料理はずっと好きでやっています。魚料理とかにも挑戦していきたいですし、秋になると旬のものも増えていくので、そういう料理にも挑戦していきたいです。得意料理はずっと豚汁って言っているんですけど、もっとレパートリーを増やしたくて。最近は土鍋を買いたいとも思っています。
――現在25歳。今後20代のうちに挑戦してみたいことはありますか?
中沢:ずっと学生役が多かったので、『最後の鑑定人』が初めての職業ものでした。刑事もまたやりたいですし、医者も弁護士も、いろいろな職業の役に挑戦していきたい気持ちがあります。
――最後に、写真集を楽しみにしているみなさんにメッセージをお願いします。
中沢:1年かけて撮っているので、本当に贅沢な1冊になっていると思います。『ルート』っていうタイトルにふさわしい、僕のこの1年の道のりを自然体で撮っていただき、絶対に満足していただける自信があるので、宝物にしていただけたらうれしいです。
(取材・文:近藤ユウヒ 写真:米玉利朋子[G.P.FLAG Inc.])
中沢元紀ファースト写真集『ルート』は、ワニブックスより10月1日発売。価格3740円。