なぜディズニープラスが吉本とタッグ? “刺激の強さ”ではなく“芸人の発想力”で勝負する『THE ONE SHOT』の挑戦
「そもそも芸人さんってパフォーマーだと思われがちですが、僕らは“最高のクリエイター”だと常々思っています。ネタを作る能力を認められてきた芸人さんたちが多く(もちろん、他の能力に長けた芸人さんもたくさん存在しますが)、芸人さん自身のアイデアでモノ作りをし、それを披露する場さえ与えることができれば絶対面白いものを作ってくれるというのは分かっていました」と芸人たちへの厚い信頼を口にする。
8人の挑戦者たち (C)FANY Studio
第1回目の挑戦者として名を連ねたのは、堀内健(ネプチューン)、秋山竜次(ロバート)、又吉直樹(ピース)、後藤淳平(ジャルジャル)、山内健司(かまいたち)、天竺川原、じろう(シソンヌ)、国崎和也(ランジャタイ)。大悟が「勝負できる」と確信した精鋭が集まったキャスティングは、タレントマネジメントの目線から見ても「納得」だと神夏磯氏は語る。
配信後、本番組が提示した“新たなお笑いのカタチ”は高評価を受け、2026年に「ディズニープラス」で配信された日本発のバラエティ作品の中で、配信開始後14日間の視聴実績世界・APAC・日本のすべての地域で視聴数No.1を記録。
配信サービス発のオリジナル作品は、刺激の強い表現やダークな世界観が注目を集めることも少なくないが、『THE ONE SHOT』は、芸人たちの発想力や表現力そのもので勝負するフォーマットを貫いた。
その背景について成田氏は、「ディズニープラス」作品だからといって特別な制約を設けたわけではないと説明する。
「芸人さんたちがせっかくお持ちになっているクリエイティビティが、センシティブな表現を含む刺激の強いユーモアに埋もれてしまうのは、もったいないかもしれないと思いましたので、過激さが主体にならないほうがいいですねとは伝えましたが、大悟さんは最初からそのつもりはなかったと思います」と言い、神夏磯氏も「われわれも『過激だからおもしろい』とは全く思っていなくて、優秀な芸人さんほど笑いの引き出しの数が多いので、過激な内容で勝負したいと思っている芸人さんは、優秀になればなるほど少ないと思います」と根底にある考え方を語る。
優れたストーリーテリングとリッチな映像を届けてきた「ディズニープラス」と、時代の変化に沿いながら“笑い”を追求してきた吉本。改めて本タッグについて神夏磯氏に聞くと、「グローバルに企画が発信できる『ディズニープラス』のバラエティ番組をゼロから開発できるタイミングに巡り合わせていただいたことは非常にうれしく思っています」と喜びをにじませる。
また、お笑いファン以外にもリーチしている点について成田氏は「うれしい誤算だった」と語り、「多くの人に見ていただきたいというのは誰しも思うことではありますが、お笑いファンの方を中心に徐々に浸透していくかと思いきや、街中でふと『THE ONE SHOT』の話題が出てくることがあったんです。大悟さんの影響力が大きいと思うのですが、想定以上に広がっているんじゃないかと感じています」と予想を超える反響に手応えをのぞかせた。
(C)FANY Studio
新たなフォーマットを確立した中で、気になるのはシーズン2の構想。「今回の経験を生かした上で、さらにおもしろいものができる余地があるなと感じていますので、いい形につながっていけばいいなと思っています」と成田氏。また神夏磯氏は大悟の中で次なるキャスティングも見えていそうだと明かし、「海外展開するとどうなるのか。例えばインドのタレントさんが作った『THE ONE SHOT』はどんな内容になるのか。近い将来に見てみたいですね」と笑った。(取材・文:阿部桜子)
バラエティ番組『THE ONE SHOT』は、ディズニープラス スターで全話独占配信中。
