ポール・ポッツ、自身の半生の映画化オファーに「ふざけてるんじゃないかと思った」
さらには、劇中でポールが緊張のあまり歌声が上ずってしまうシーンでは、「僕も下手に歌わなければならない。でも、僕にとっては下手に歌うのはとても難しいことなんです。監督から『それではうますぎる、もっと下手に歌って』と色々言われましたね」と振り返った。
本作では、ポールが一夜にしてスターになった姿までを描いているが、歌手になってからの印象深い出来事を聞いてみると、「初めての世界ツアーを終えたとき」の話を教えてくれた。「僕は普段、いびきをかいたり、寝言を言ったりもするのですが、世界ツアーから戻ってきて、自宅で寝ていた時には突然、起き上がって『世界中を回った』と一言だけ言ってまた寝たみたいなんです。奥さんが笑っているときに、それで目が覚めて気づいたんです。それは印象的でしたね」。ポールの茶目っ気たっぷりに笑いながら思い返す表情に、気取らない映画同様のキャラクターを印象づけさせられた。
誰でも夢に向かって努力すれば必ず叶えることができる。観たものすべてを前向きにさせるパワーに溢れた本作。
「たくさんの苦労があったとしても、とりあえず進み続けることが大事。進み続けることだけじゃなく、周りの方達の力も借りながら、進むことが大事だと思います」。自身がそれを経験したからこそ、力強くポールはいい切った。(取材・文・写真:嶋田真己)
映画『ワン チャンス』は3月21日より全国公開。