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人はなぜ暴力に走るのか? ジャ・ジャンクー監督が中国で起きた4つの事件を映画化

映画

『罪の手ざわり』場面写真
『罪の手ざわり』場面写真(C)2013 BANDAI VISUAL, BITTERS END, OFFICE KITANO

 デビュー作から一貫して“中国のいま”を描いてきたジャ・ジャンクー監督が、実際に中国で起きた4つの事件を元に、それぞれのエピソードを絶妙に連携させて描いた『罪の手ざわり』。時には暴力的な手段に訴えざるをえない庶民の人間ドラマを描き、第66回カンヌ映画祭脚本賞を受賞した彼のインタビューが『TV Bros.』5/10発売号(東京ニュース通信社刊)に掲載されている。

【関連】『罪の手ざわり』場面写真&ポスター画像

 実際の事件が元になった本作。映画化にあたっては多くの事件を調べたという。「あたった事件は非常に多かったです。今でも覚えているのは、雲南省で大学生が同じ寄宿生を皆殺しにした事件ですね。自分だけが低所得層の出身だったことで、周囲の裕福な学生に日常的なからかいを受けていたのが、原因だったらしいです」。

 作品を通して流れるテーマは“人はなぜ暴力に走るのか”。監督自身はこのことをどのように考えているのだろうか?「これは社会だけの問題ではない。個人の問題でもあります。社会の問題からいうと価値観が単一的になってきている。要するに尺度が金の有無。あることが成功で、ないことが失敗という観点です。例えば前述の皆殺しをしてしまった学生をみると、ものすごい田舎から大学に進学できただけで、すでに成功している。なのに本人はそれに気づいていなかった。金のないことで失敗と思い込んでいた。でもそういう偏った劣等感があったとしても皆が暴力に走るわけではないので、個人に根ざすものも影響している。人間が潜在的にもっている暴力性というものもあります。こうした事件が起きた時、社会だけに責任があるとする見方は、非常に伝統的で一方的です。そしてそれもまた単一的な観点といえますね」。

 原題は『天注定』(天の定めるところ)。これに込めた思いを聞くと…。「取り上げた事件を私自身が理解していく過程で思いついた言葉です。同じ状況にある人物でも明暗が分かれる。それは宿命なんだとして、何かに抗う行動に出る場合の大義名分に、天命や天意を使う。これは水滸伝などの古典でも多用されています。その意味で、“天の定めるところ”は、この映画にふさわしいと思いタイトルにしました」。

 「TV Bros.」5/10発売号では他に、映画『青天の霹靂』公開記念として監督・劇団ひとり、主演・大泉洋、柴咲コウインタビューのほか、the TEAM NACS perfect show「なんでこんな時に」が放送されるTEAM NACSへのインタビュー、新ドラここがヘンだよ!第一回、番組を図にしよう~図で見る番組の基本原理~、片桐仁の断髪式などを掲載している。

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