蒼井優&阿部サダヲ「映画界に入れて良かった」白石組撮影に手応え
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本作は最低な人間たちがドロドロに絡み合っていく様を描く物語。「大概は最低なんですけど、ちょっとワクワクしながら見れちゃうのは、白石さんの最低な人たちに対する愛情(があるから)だったり、そういう人たちに対して、白石さんが上から(目線で)描いていないから」と分析する蒼井に阿部も大きく頷く。蒼井は続けて、大阪城が映るシーンが予想外だったと苦笑しながら、「絶対に通さなきゃいけない筋みたいなものが、一回もブレないまま最後まで突き進んでいく映画って、なかなかなかったりする。映画を見た! っていう感じがしました」と初めて飛び込んだ白石組での映画作りに手ごたえをのぞかせる。
気に入っているシーンを尋ねると、阿部も蒼井も、十和子と陣治の間に秘められた真実が明かされた後のラストシーンだと回答。阿部は「夕暮れ時のマジックアワー狙いで、長回しでやりたいと最初に伝えられていました。僕もスタッフの皆さんもそのシーンに懸けていた部分もあって、完成したラストシーンを観た時、『ああいう風につながるんだ』って感動しました」としみじみ。蒼井も「撮っているときに、改めて大げさじゃなく、映画界に入れて良かったなって久しぶりに思ったし、ただただ幸せな時間だったんです。芝居的にはちょっと重たいけど、みんなの『撮る!』っていう気合もすごかったですし、感情移入しちゃっているのかテンションがたかぶっちゃっているのか、男性のスタッフが涙流しちゃったりとかして(笑)。傍から見たらものすごく奇妙かもしれないですけど、『いいなあ』って思いましたね」。(取材・文・写真:岸豊)
映画『彼女がその名を知らない鳥たち』は10月28日より全国公開。