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北欧ホラーからカンヌ受賞の怪作まで<春の新作トラウマムービー>をご紹介

映画

北欧イノセントホラー『ハッチング―孵化―』
北欧イノセントホラー『ハッチング―孵化―』(C)2021 Silva Mysterium, Hobab, Film i Vast

 この春は、観る者に強いトラウマを与えること必至の数々の<トラウマムービー>が相次ぎ劇場公開! それらが持つハードさ、ダークさ、過激さゆえいつも観たい訳ではないが、一度観ると病みつきになってしまうのがトラウマムービーの特徴。間もなく映画館で観られるジャンル横断のトラウマムービーの見どころをまとめて紹介しよう。

【写真】春の新作トラウマムービーギャラリー

■『ハッチング―孵化―』 4月15日より全国順次公開

(C)2021 Silva Mysterium, Hobab, Film i Vast
 今年1月下旬に開催されたサンダンス映画祭のプレミア上映で世界を驚がくさせた本作は、不穏でありながらも美しさを感じさせる1本。北欧フィンランドで暮らす、幸せな4人家族。だが、それは表向きの姿。少女が孵化させた卵が、絵に描いたような幸せな家族のおぞましい真の姿をさらしていく…。

 本作における大きなトラウマポイントは、主人公の少女ティンヤを重圧へと追い込む<母親>の存在だ。家族を巻き込みブログのための動画撮影に熱心である母親は、モデルハウスのような家の外観から内装やインテリアだけでなく家族が身に着けるものに至るまで完璧であることに余念がない。さらに、体操選手であるティンヤに対するコーチもくぎを刺すほどの熱血指導、多感な娘に共有すべきではない“行き過ぎた女子トーク”など、トラウマポイントが随所に。そんな母親からの期待や愛情への不安など、複雑な想いを胸にしまいこんでしまうティンヤの内面や混乱が、ストーリーの行方に大きく関わっていく。

 メガホンをとるのは、多くの短編作品を世界の映画祭に出品して高い評価を受け、今回が長編デビュー作となる新鋭女性監督ハンナ・ベルイホルム。北欧ならではの明るく洗練された一家の中に潜む恐怖を見事に切り取ってみせたが、監督は本作について「本作は、ホラー映画であるのとは対照的に、世界観は実はとても美しい。母親の完璧で理想的な世界観を再現しているけれど、最後にはそれがとても恐ろしいものであることが分かる。つまり、従来のホラー映画とは少し違って、暗闇の重苦しい雰囲気の空間ではなく、美しく明るい環境で起こる恐怖を表現したかった」と語っている。

■『ニトラム/NITRAM』 全国公開中

(C)2021 Good Thing Productions Company Pty Ltd, Filmfest Limited
 1996年4月28日日曜日。タスマニア島、ポート・アーサーで無差別銃乱射事件が発生。死者35人、負傷者15人。当時28歳の単独犯の動機が不明瞭であることも拍車をかけ、新時代のテロリズムの恐怖に全世界が騒然となった。 オーストラリア国内では未だ議論の絶えないこの事件を初映画化したのは、「現代オーストラリア最高の映画作家」と称される俊英ジャスティン・カーゼル。事件の〈真実〉に迫るため、映画は犯人の複雑なパーソナリティだけでなく、彼を取り巻く社会を多角的・重層的アングルからひとつずつ剥き出しにする。出来事に至るプロセスを緻密かつ繊細極まりない叙述で積み重ねてゆく、その真に倫理的な試みが高く評価され、豪アカデミー賞では主要8部門で最多受賞を果たした。

“ニトラム”と呼ばれた青年の〈生活〉と〈彷徨〉の日々の果てにある、内面に巣食う孤独と劣等感や屈折した男性性を、実力派スター、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズが痛々しいまでのナイーブな演技で表現。第74回カンヌ国際映画祭で見事主演男優賞を受賞した。

■『TITANE チタン』 4月1日より全国公開

(C)KAZAK PRODUCTIONS – FRAKAS PRODUCTIONS – ARTE FRANCE CINEMA – VOO 2020
 幼い頃、交通事故により頭蓋骨にチタンプレートが埋め込まれたアレクシア。彼女はそれ以来<車>に対し異常な執着心を抱き、危険な衝動に駆られるようになる。自らの犯した罪により行き場を失った彼女はある日、消防士のヴァンサンと出会う。10年前に息子が行方不明となり、今は孤独に生きる彼に引き取られ、ふたりは奇妙な共同生活を始める。だが、彼女は自らの体にある重大な秘密を抱えていた…。

 監督は、鮮烈なるデビュー作『RAW~少女のめざめ~』(16)で、カンヌ国際映画祭フィプレシ(国際映画批評家連盟)賞に輝いたジュリア・デュクルノー。そして本作で、長編2作目にしてカンヌの最高賞を奪取するという偉業を成し遂げた。新時代の申し子と呼ぶべき圧倒的怪作が2022年、ついに日本でもその全貌を明かす。

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