オスカー騒動、ウィル・スミスがアカデミーを辞任 出演待機2作品は製作中断
第94回アカデミー賞授賞式にて、妻をジョークにされたウィル・スミスが激高し、プレゼンターのクリス・ロックを平手打ちした事件。余波が広がりを見せるなか、ウィルが賞を主催する映画芸術科学アカデミーを辞任することを表明した。一方、出演の決まっていた作品は中止されることが明らかになった。
【写真】レッドカーペットでピースするウィル・スミスも ジェイダ・ピンケット・スミスと登場
現地時間3月27日に開催されたアカデミー賞授賞式で、プレゼンターとして登壇したクリスが、脱毛症に悩むウィルの妻ジェイダ・ピンケット・スミスのヘアスタイルを、映画『G.I.ジェーン』の坊主頭の主人公になぞらえてジョークにした。最初は他のゲストたち同様笑っていたウィルだが、ジェイダの苦々しい顔を見ると一転、舞台上に歩いて行き、クリスに強烈な平手打ちを食らわせた。
Varietyによると、アカデミーがウィルに対する処罰を検討するなか、ウィルが声明を発表。自分の行為は「ショッキングで苦痛を与えるものであり、正当化できるものではない」とし、アカデミーからの退会、そしてアカデミーが下すいかなる結果も受け入れるつもりだと、明らかにしたという。
「クリスと彼の家族、私の親しい友人たちと愛する人たち、式の出席者、世界中の視聴者…非常にたくさんの方々を傷つけてしまいました。アカデミー賞の信用を裏切り、他のノミニーや受賞者たち、そして彼らの素晴らしい仕事を祝福する機会を奪ってしまいました。心を痛めています」とコメント。
「功績を称えられるべき皆さんに注目が戻ることを希望します。そしてアカデミーが映画の創造性と芸術性をサポートするという大切な仕事に戻ることを願います。変化には時間が必要ですが、理性を失って暴力に走ることが二度とないよう対処に務める所存です」と結んだ。
これに対し、アカデミー側は会長デビッド・ルービンが回答し、ウィルの辞意を受け入れるとしつつ、アカデミーの行動基準違反によるウィルの懲戒処分を引き続き審議すると発表した。
ウィルはこの後、Netflix制作の映画『Fast and Loose(原題)』と、『バッドボーイズ』シリーズの第4弾に出演が決まっていたが、The Hollywood Reporter によると、Netflixとソニー・ピクチャーズはそれぞれ、制作を中断しているという。