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田中裕子、最愛の夫を30年にわたり待ち続ける妻役で主演 映画『千夜、一夜』10月公開

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映画『千夜、一夜』主演を務める田中裕子
映画『千夜、一夜』主演を務める田中裕子(C)2022映画『千夜、一夜』製作委員会

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 女優の田中裕子が主演する久保田直監督最新作『千夜、一夜』が、10月7日より東京・テアトル新宿、シネスイッチ銀座ほかにて全国公開することが決定。主演の田中、監督の久保田、脚本・青木研次よりコメントが到着した。

【写真】映画『千夜、一夜』で主演を務める「田中裕子」フォトギャラリー

 本作は、北の離島の美しい港町を舞台に、理由もわからぬまま突然姿を消した最愛の夫を30年にわたり待ち続ける主人公の姿を描いた物語。今もどこかで誰かを待ち続ける人々の背後にはいったいどんな物語が隠されているのか。ドキュメンタリー出身の久保田直監督が「失踪者リスト」から着想を得て、青木研次によるオリジナル脚本をもとに、8年もの歳月をかけて完成。主演の田中は、狂おしい日々を背負いながら、夫の帰りを待ち続けるひとりの女性の強さや脆さを繊細に体現する。

 田中は、「海に夕日を見送り海に朝を迎えた佐渡での撮影の日々。この『千夜、一夜』という映画にたどり着くのに八年の時間が過ぎた。脚本の青木研次さん、諦めなかったスタッフキャストの長かった思いも連れて、今年の秋の公開が決まった。私達がこの映画をつくるのにかけた時間を千夜、とたとえて言うならば、観てくれた人が帰った部屋の灯りを点ける時ふとこの映画を想ってくれる一瞬は一夜、と言える。果てない夜の中にそんな一夜、がありますようにと願いながら、秋の公開を待つ」と言葉を寄せている。

 監督の久保田は、ギャラクシー大賞をはじめ数々の受賞歴を持つドキュメンタリー出身。震災後の福島を舞台に家族の再生を描いた『家路』は、劇映画デビュー作にしてベルリン国際映画祭パノラマ部門正式出品という快挙を成し遂げるなど、国際的な評価を積み上げてきた。

 「ある日突然、理由もわからないまま家族が失踪してしまったら、残された者は何を思うのだろうか。どれだけ待ち続けることが出来るのだろうか。人はどのような時に姿を消したいと思うのだろうか。そんな思いが心に掛かり、愛する人とのささやかな思い出を抱きしめながら、待ち焦がれる女性の姿を描いてみたいと思いました」と制作への想いを語る久保田。

 「そして、最高のキャストとスタッフが集まってくれました。佐渡島を舞台に、狂おしい日々を背負いながら、待ち続ける主人公。これは、愛の映画です。不可能な、しかし、奇跡的な。コロナ禍を乗り越え、8年と言う年月をかけて完成させることが出来たこの作品。一人でも多くの方に届けられればと思います」と言葉を寄せた。

 脚本は『いつか読書する日』、『独立少年合唱団』の青木研次によるオリジナル。田中裕子とは『いつか読書する日』以来3度目、久保田直監督とは『家路』以来2度目のタッグとなる。

 「脚本は、田中裕子さんのために書かれました」という青木。「ひとりぼっちの女がいます。ある男が、ずっと好意を寄せています。でも男の思いは決して届かない。不条理なまでに拒絶されるのです。そして女は、ずっとひとりぼっちです。小さな思い出を、生まれたばかりの雛のように抱えているからです」と物語をつづる。

 そして、「久保田直監督とは、映画『家路』以来、二度目の仕事です。撮影は、困難を究めたと聞いています。久保田直監督とスタッフたちは、足かけ二年に渡って佐渡の海辺をさまよいながら、主人公の固く閉じた心を開いていきました。その成果が、映画『千夜、一夜』です」とコメントしている。

 映画『千夜、一夜』は、10月7日より全国公開。

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