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地方を舞台に、資本主義と家父長制社会に潜む悲劇と希望を描く『やまぶき』予告解禁

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映画『やまぶき』場面写真
映画『やまぶき』場面写真(C)2022 FILM UNION MANIWA SURVIVANCE

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和田光沙

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松浦祐也

青木崇高

 第75回カンヌ国際映画祭ACID部門正式出品作『やまぶき』より、予告編が解禁された。

【動画】『やまぶき』予告編

 本作は、岡山県真庭市の山間で農業に携わりながら、地方に生きる人々に光をあてて映画製作を続ける山崎樹一郎監督の長編第3作。陽の当たりづらい場所にしか咲かぬ野生の花「山吹」をモチーフに、資本主義と家父長制社会の歪みに潜む悲劇と希望を描きだす群像劇だ。

 かつて韓国の乗馬競技のホープだったチャンスは、父親の会社の倒産で多額の負債を背負った。岡山県真庭市に流れ着き、今はヴェトナム人労働者たちとともに採石場で働いている。一方で、刑事の父と2人暮らしの女子高生・山吹は、交差点でひとりサイレントスタンディングを始める。2人とその周囲の人々の運命は、本人たちの知らぬ間に静かに交錯し始める。

 チャンス役を演じるのは、イギリスで演劇を学び、今回初めての日本映画出演となる韓国人俳優のカン・ユンス。山吹役は、『サマーフィルムにのって』(2021)や『セイコグラム~転生したら戦時中の女学生だった件~』(2022)など話題作への出演が相次ぐ演技派俳優・祷キララ。さらに川瀬陽太、和田光沙、三浦誠己、松浦祐也、青木崇高らの実力派俳優たちが集結し、田舎町に暮らす人々のほとばしる生を体現している。

 解禁された予告編は、主人公の韓国人チャンスが岡山へと流れ着き、新しい家族と過ごす様子と、もう一人の主人公・山吹がサイレントスタンディングする様子から始まる。その後、オリヴィエ・ドゥパリの手掛けたトイピアノの音色が流れる中、2人の人生が交錯し、予想外に展開していく物語の断片が映し出される。

 本作は9月に第27回スプリト国際映画祭グランプリ、第19回ウラジオストク国際映画祭審査員賞、第18回ルッカ国際映画祭グランプリ、第8回ブラジリア国際映画祭最優秀男優賞(カン・ユンス)の4つの賞を相次いで受賞する快挙を果たした。今月は、14日から16日開催のロッテルダム国際映画祭(1〜2月にオンライン開催)のリアル上映に合わせて山崎監督がオランダへ渡航する予定だ。

 映画『やまぶき』は、11月5日より全国順次公開。

映画『やまぶき』予告編

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