浦沢直樹×手塚治虫『PLUTO』 “ゲジヒト”演じた藤真秀が抱いた“興奮”と”重圧”
アニメ
Netflixにて10月26日より独占配信されるアニメ『PLUTO』より、このたび主人公ゲジヒトを演じた藤真秀の独占インタビューが解禁となった。
【動画】アトムの涙の意味とは 『PLUTO』予告編
1964年、手塚治虫の代表作『鉄腕アトム』の一編として絶大な人気を博した『地上最大のロボット』は、2003年に漫画家・浦沢直樹と長崎尚志のプロデュースによって『PLUTO』としてよみがえった。手塚治虫文化賞マンガ大賞をはじめ、国内外で高い評価を獲得、単行本の全世界累計発行部数は1000万部を超える大ヒット。2015年には舞台化、2018年には再演も行われ、日本はもちろんイギリス、オランダ、ベルギーと欧州ツアーも敢行された。
日本初のテレビアニメ『鉄腕アトム』の放送から60年となる2023年、『鉄腕アトム』の制作スタッフにも名を連ね、気鋭のスタジオ・MAPPAの創設者でもある丸山正雄の手によってアニメ化が実現した。
声の出演は、主人公ゲジヒト役に藤真秀、アトム役に日笠陽子、ウラン役に鈴木みのり。さらに、ゲジヒトやアトムと同じ世界最高水準の7人のロボットたちであるモンブラン役を安元洋貴、ノース2号役を山寺宏一、ブランド役を木内秀信、ヘラクレス役を小山力也、エプシロン役を宮野真守、物語の鍵を握るロボット・プルートゥ役を関俊彦が務める。
「PLUTO」では＜7人の世界最高水準のロボット＞が次々に破壊される事件とロボット法に関わる要人が次々と犠牲となる殺人事件の２つを中心にストーリーが展開される。主人公として自身も世界最高水準のロボットの1人でありながら、2つの事件を捜査するユーロポールの特別捜査官ロボット・ゲジヒトは事件の謎とともに、彼自身に秘められた謎にも迫っていくこととなる。
台本を読んだ時の感想について、ゲジヒトを演じた藤は「人間のエゴの怖さっていうのを、一番最初に感じました。人間のエゴだったり、憎悪だったり、いろいろなことが連なっていく。ゲジヒトの見る夢にも関わってくるんですが」と語る。本作ではいずれ現実化するかもしれない、“人間とロボットの共存する世界”で生じる軋轢（あつれき）も色濃く描くことで重厚で骨太なストーリーに仕上がっている。
オファーが来た時の気持ちについて、「原作を読ませていただいて、これはとんでもない作品だなと感じました。“本当にうれしい！”という興奮と“これは大変なことになったぞ…”という緊張の両方が入り混じって、ワクワク、ドキドキしていました」と次々とヒット作を生み出す漫画家・浦沢直樹が長崎尚志と共に、マンガの父・手塚治虫の代表作をリメイク、その主人公を演じることになったプレッシャーと大役を任された喜びという相反する心情を露わにしている。
特に印象に残っているシーンとして、ゲジヒトと日本が有する世界最高水準のロボット・アトム（日笠陽子）の初対面のシーンを挙げており、「アトムが席を立って、トイレに行って、涙をツーと流す。本当に素敵で、“結局全部、アトムに抱きしめられたのかな”という気持ちになれるシーンだったので、そこがすごく好きでした」と語っている。アトムはなぜ涙を流したのか？ そこにストーリーの鍵があることは間違いない。藤が「アトムに抱きしめられた」と語るシーンにも注目してほしい。
Netflixシリーズ『PLUTO』は、Netflixにて10月26日より独占配信。
※手塚治虫の「塚」は旧字体が正式表記
