アカデミー賞5部門ノミネート『ホールドオーバーズ』、孤独な魂が寄り添い合う日本版予告公開
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第96回アカデミー賞でダヴァイン・ジョイ・ランドルフが助演女優賞を受賞した、ポール・ジアマッティ主演映画『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』(6月21日公開)より、日本版の予告編とビジュアルが解禁された。
【動画】映画『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』日本版予告編
『サイドウェイ』のアレクサンダー・ペイン監督とポール・ジアマッティが再びタッグを組んだ本作は、1970年のニューイングランドにあるバートン校を舞台に、それぞれの事情で寮に残り、クリスマスと新年を過ごす孤独な3人の物語。誰もいない学校での自由気ままな生活の中で、ちょっとした冒険や災難を通じて、小さなつながりが生まれていく様を描き出す。
主演のジアマッティは、古い価値観で教べんをとる古代史の非常勤教師で、生徒からも教師たちからも嫌われているポール・ハナムを演じる。ダヴァイン・ジョイ・ランドルフが、一人息子のカーティスをベトナムで亡くした学校の料理長メアリー・ラムを、映画初出演となるドミニク・セッサが、頭が良く、傷つきやすく、トラブルメーカーだが、心根は悪くないバートン校の生徒アンガス・タリーを、それぞれ繊細に演じている。
本作により、第81回ゴールデングローブ賞のミュージカル・コメディー部門でポール・ジアマッティとダヴァイン・ジョイ・ランドルフが主演男優賞と助演女優賞を受賞。さらに第96回アカデミー賞では作品賞、脚本賞、編集賞、主演男優賞、助演女優賞の5部門にノミネートされ、ダヴァイン・ジョイ・ランドルフが見事助演女優賞を受賞した。なお表情や仕草で大切なひとり息子を失ったメアリーの孤独を体現した彼女は、全58賞を受賞(3月5日時点)するなど、全米の映画賞を総なめにした。
この度、孤独な魂が寄り添い合う様子を収めた日本版予告編が解禁。
1970年冬、ボストン近郊にある全寮制のバートン校。生徒と教師の大半がクリスマス休暇を家族と過ごすなか、勉強はできるが反抗的なアンガス(ドミニク・セッサ)をはじめ4名の生徒が学校に居残ることに。アンガスの明らかにふてくされた様子が映し出される。
生徒たちの“子守役”に任命された古代史の教師ハナム(ポール・ジアマッティ)は、生真面目すぎる言動ゆえ同僚や生徒からも嫌われている。料理長のメアリー・ラム(ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ)はひとり息子をベトナム戦争で失ったばかりで、息子と最後に過ごしたこの場所で年を越そうとしていた。
アンガス以外の生徒はバカンスに出ることになり、たった3人でのホリディがスタート。アンガスに「君の面倒を見るなんてごめんだ」と冷たく告げるハナムに、「帰る場所のない子にあんなことを言うなんて」とたしなめるメアリー。彼女は、アンガスが人一倍繊細さを持ち合わせていることを感じ取っていたのだ。
続いて、それぞれに孤独を抱える3人が美しい雪景色の中で反発し合いながらもお互いを知り、少しずつ心を通わせていく様子や、ハナムに何か人に言えずにいた“過去”があることをうかがわせる映像が流れる。そして最後は「生き方を変える時間はある」と語るハナムに、アンガスが「あなたもね」と答えほほえみ合う、温もりを感じさせるシーンで締めくくられる。
本作の緻密に練られた脚本は各方面で高い評価を受けていたが、4月14日(現地時間)に発表された第76回全米脚本家組合(WGA)賞でも、オリジナル脚本賞を見事受賞。ささやかだが温かい2週間の休暇が描き出すものに期待が高まる予告編となっている。
併せて解禁された日本版ビジュアルは、ハナムが手に入れてきた飾り気のない、斜めになったクリスマスツリーを背景に、学校の食堂で食卓を囲む3人の姿を温かな色彩で描いたもの。<この日々を、きっと忘れない>という、3人それぞれの想いを代弁するようなキャッチコピーが添えられている。
原題でもある「HOLDOVERS」とは「残留した者」の意味。バカンスや家族のもとに戻った人々を尻目に、まるで「置いてけぼり」にされたように学校に取り残された彼ら。3人の間で育まれていく絆の行方が気になるビジュアルに仕上がった。
映画『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』は、6月21日より全国公開。