西野亮廣「相手を信じることが僕自身の大きな挑戦となり、今回のテーマに」 『映画 えんとつ町のプペル』続編、26年公開!

『映画 えんとつ町のプペル』の続編となる『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』が、2026年春に全国公開。8月21日に本作の制作報告&声優発表会見が開催され、製作総指揮・原作・脚本の西野亮廣、監督の廣田裕介、アニメーション制作を務めるSTUDIO4℃プロデューサー・田中栄子、ルビッチ役の声優を務める永瀬ゆずなが登壇した。“ルビッチ”永瀬ゆずなのオーディションから決定までの軌跡をおさめた特別映像も解禁された。
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2020年に公開され、日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞を受賞、コロナ禍にも関わらず興行収入27億円、観客動員196万人を記録し、さらに、海外の30以上の映画祭から招待を受けるなど高い評価を獲得したオリジナルアニメーション『映画 えんとつ町のプペル』。映画公開後もミュージカル、歌舞伎、バレエなど多方面に展開され、作品の世界観は今もなお広がり続けている。
そしてこのたび『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』の公開が発表に。2016年に発売された絵本『えんとつ町のプペル』の原作者・西野亮廣が、今回も製作総指揮・原作・脚本を担当。2019年に発売された絵本『チックタック 約束の時計台』(にしのあきひろ著)を原案に、大幅なスケールアップをして映画化に臨む。
アニメーション制作は、圧倒的なクリエーションと独自の世界観で知られるSTUDIO4℃が再び担当。前作に引き続き監督を廣田裕介が務め、さらなる進化を遂げた映像表現で観客を魅了する。
会見で『えんとつ町のプペル』の世界観に包まれた舞台で、ルビッチが描かれた紫のTシャツを身にまとった西野。「本日はお越しいただきまして、ありがとうございます。お金に目がくらんだスタッフから、いま着ているピチピチのルビッチTシャツを着させられまして、非常にシビアな状況でステージに立っています。恐らく、日本エンタメ史上最後となる“ピチT”での記者会見となりますが、頑張ります。宜しくお願いします!」と、観客の笑いを誘いながら喜びのコメントを。
続く監督の廣田は、「監督を務めさせていただきます。本日はお集りいただき、ありがとうございます。短い時間ではございますが、宜しくお願いします」と続き、プロデューサーの田中も「前作でプペルはいなくなってしまったので、もうこの続きは無いと思っていましたが、続編をつくることになりました。宜しくお願いします!」と、前作での大変な経験も振り返りながらあいさつ。盛大な拍手に包まれながら会見はスタートした。
興行収入27億円の大ヒットを記録した前作『映画 えんとつ町のプペル』から4年半の歳月が経った心境を聞かれると、西野は「『映画 えんとつ町のプペル』の公開前と後では、僕個人の活動も規模やお客さんの層が変わり、子どもからおじいちゃん・おばあちゃんまで幅広い層の方に来ていただけるようになりました。芸能界の中だと、お笑い芸人たちがプペルをいじったりと、コミュニケーションツールにもなりつつあります」と前作の反響の大きさを明かした。
そして「僕自身、こういった作品をつくりながら裏では芸人として表では口に出せないような芸もしているので、非常に混乱しています。」とジョーク混じりに複雑な心境を語る。さらに、「映画公開後に歌舞伎やバレエ、ミュージカル等といった展開に繋がったのは非常に面白いなと感じています」と振り返った。
廣田も「4年半と聞くと、長いように感じますが、前作をたくさんの方に観ていただき、取材や国内外での映画祭での受賞、その1年後にはハロウィンのタイミングで再上映されたりと、公開後も息長く続いていたことから、4年半があっという間に感じました」と、前作公開後もプペルが身近にあったことと同時に、焦りも感じていることを明かした。
そして田中は、「私も“プップップペル♪”と、あの印象的な歌がずっと心や頭の中で流れているんです。プペル前作で約30億円近い興行記録を残せたことで評価をいただけたので、嬉しいなと感じています」と、改めて当時の反響の大きさに感慨した。
そして、ついに本作が来年の春に公開されることが発表されると、西野は「映画に限った話では無いのですが、プロジェクトが大きくなると、やっぱり大変なこと・手が掛かる事だらけになるんです。そんな中で、今作は世間体ではなく自分の中で大きく感情が揺れたパーソナルな部分をテーマにしました。お笑い芸人として活動し、ありがたいことにまだ実力がない中で表に出させていただく機会に恵まれたのですが、実力が無いので結果が出せない。2~3年経ってもそんな現状で、積もり積もった相方の梶原さんが失踪してしまう出来事がありました」と回顧。
「今でこそ失踪事件は笑い話になっていますが、その頃に僕1人で活動する選択肢もあった中、梶原くんが戻ってくる場所が無いのは寂しいなと感じ、“待つ”ことを決めました。やっぱり、2人で話したり漫才している時間が楽しかったんですよね。1人での活動も一切やめて待っていた中、梶原くんのお母さんが『西野くんが待ってるよ』と伝えてくれたんです。それをきっかけに戻ってきてくれたのですが、その経験から“相手を信じる”ことが僕自身の大きな挑戦となり、今回のテーマにもなりました。きっと、子育てしている親御さんも共感する部分が多いのではないかと思っています」と、本作に込めた伝えたいテーマを露わにした。
前作からの変化や意識した点について、廣田は「前作に引き続き監督を務められることは光栄でありがたいなと感じています。前作をたくさんの方に観ていただき、大きな反響をいただいたからこそ、逆に壁となって立ちはだかるのですが、それを乗り越えなければいけないという気持ちとモチベーションで、今作にもチャレンジしています」と意気込みを語った。
そして、自身が設立したSTUDIO4℃の最新作『ChaO(チャオ)』がアヌシー国際アニメーション映画祭で審査員賞を受賞したことに触れられながら、今作への期待が高まっていることを受けた田中は「もちろん、プペルもクオリティを担保しようと思い頑張っています。前作では、100本・200本のえんとつと煙をボロボロになりながら描いていたんです。でも、空は晴れましたからね! 今作ではそれが無い!と喜んでいたら、何ですか…あの登場するキャラの多さは!!」と、西野に不満を。「前作では、フル3Dでキャラを描くというSTUDIO4℃としても初めてのチャレンジをして、プペル2ということは、今作でもその3Dモデルのキャラを活用できる!楽できるぞ!と思っていたら、キャラクターの多さと10ヵ所以上の新たな場所に冒険するなんて…」と、西野に公開説教をしながら観客の笑いを誘い、今作への期待をあおった。