アカデミー賞仏代表『シンプル・アクシデント/偶然』5.8公開決定! ユーモアと緊迫感が交差する場面写真も解禁
第78回カンヌ国際映画祭にてパルム・ドール(最高賞)を受賞した、イランの巨匠ジャファル・パナヒ監督の最新作『IT WAS JUST AN ACCIDENT(英題)』が、邦題を『シンプル・アクシデント/偶然』として5月8日から公開されることが決定。あわせて、場面写真9点が解禁された。
【写真】『シンプル・アクシデント/偶然』より9点の場面写真
かつて不当な理由で投獄されたワヒド(ワヒド・モバシェリ)は、ある偶然によって、自分に酷い拷問をした看守らしき男に出会う。咄嗟に強引な手段で男を拘束するワヒド。荒野に穴を掘って男を埋めようとするが、男のIDカードを見ると、復讐相手と名前が違う。男も、人違いだと言う。実は、投獄中に目隠しをされていたワヒドは、拷問した男の顔を見たことがなかった。男は、本当に復讐の相手なのか?確信が持てなくなったワヒドは、いったん復讐を中断し、同じ男に拷問された友人を訪ねることにするが…。
本作は、不当に刑務所に投獄された人々が、復讐を果たそうと試みる姿をスリリングに、ユーモアたっぷりに描いた復讐劇。パナヒ監督自身が、二度にわたって投獄された経験と同房で出会った人々のリアルな声から着想を得て、物語へ織り込み、類い希なる映画へと昇華。冒頭からノンストップに渦巻く連鎖の中へと引き込まれ、最後まで目も耳もスクリーンに釘付けになる、魂を揺さぶる強烈なスリラーの最高峰が誕生した。
この度解禁された場面写真は9点。ワゴン車を荒野に停め、人間の足を掴んで穴へ無理やり放り込もうと奮闘するワヒドの姿や、過去に様々な理由によって拘束や拷問された人々が、その看守(だったかもしれない)の男を取り囲む様子、ウエディングフォトの最中にこの<珍事>に巻き込まれた新婚夫妻が何かを真剣に話し合うシーンなど、いずれもパナヒ流<前代未聞の復讐劇>の一幕を捉えたものとなっている。
2010年から反政権を理由に禁錮6年の有罪判決を受けていたパナヒ監督。映画制作や海外渡航が20年間禁止されていたが、2023年に海外渡航禁止が解かれ、最初に着手した本作品で2025年カンヌ国際映画祭に正式参加し、イラン映画としては28年ぶりに最高賞を受賞。『チャドルと生きる』(2000)でベネチア国際映画祭金獅子賞、『人生タクシー』(2015)でベルリン国際映画祭の金熊賞を受賞、そして本作のパルム・ドール受賞により、世界三大映画祭すべての最高賞を受賞するという快挙も成し遂げ、世界中で大きな話題となった。
反骨精神あふれるパナヒ監督の作品はこれまで国代表に選出されたことはなく、オスカーとは無縁だったが、本作はフランスとの共同製作により米アカデミー賞の国際長編映画賞部門で見事フランス代表となり、ショートリスト(最終候補15作品)にも選出、主要賞へのノミネートも期待されている。
そんな中、2025年12月、アメリカで本作のプロモーション活動中だったパナヒ監督は、明確な容疑が開示されないまま、イスラム革命裁判所から突如判決を受けた。内容は「反体制プロパガンダ活動を行った」とする欠席裁判での懲役1年に加え、2年間の渡航禁止、さらに政治・社会団体および派閥への参加禁止という厳しい措置である。パナヒ監督の魂の叫びが詰まった本作が、今後の賞レースにどう絡んでいくのか要注目だ。
映画『シンプル・アクシデント/偶然』は、5月8日より全国公開。

