声だけの人工知能に胸キュン 人はなぜ2次元に恋するのか?

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スパイク・ジョーンズ監督最新作『her/世界でひとつの彼女』のヒロインは、世界初の成長する人工知能型OSシステム“サマンサ”。恋愛ゲームが大ヒットし、アニメキャラの誕生日にはケーキを買ってお祝いするなど、2次元のキャラクターに本気で寄りそう人が増えてきている現代、人はなぜ2次元に恋をするのだろうか。
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本作の主人公セオドア(ホアキン・フェニックス)がサマンサ(声だけの出演 スカーレット・ヨハンソン)に恋したように、今の2次元にある魅力は“リアルさ”と“リアル”とのギャップ。サマンサは相手との会話から成長し、最もベストな答えを導きだし、さらには自身の感情まで語る事ができるようになる。そして、アニメや恋愛ゲームは、昔よりも高画質になり、より現実に近くなりながらも、現実では得られない体験や言葉をくれたりと、感情を満たせる存在となっている。
2045年には人工知能が人間を超えるという話題もある通り、人工知能の発達は目覚ましい。技術が進歩するにつれて2次元のキャラクターたちはよりリアルになり、セオドアのように本気の恋をするケースが出てくるかもしれない。
しかしながら本作では、AIに恋するセオドアのストーリーという、見た事のない愛のかたちを追いながら、どこにでもある恋する気持ちを描いている。本作の脚本で初のオスカーを手にしたスパイク・ジョーンズ監督は、本作は恋愛関係とテクノロジーについての解答でなく、昔から話題にされてきた事だという。それは、人と繋がりを持ちたいという願望や親密な関係を持つことの必要性。そして、私たちの内面において、何がそれを妨げているのかということ。「確かに僕らは今テクノロジーとの関わり合いについて新たな局面にいる。でも、僕がここで究極的に語っていることは、人間が誕生した瞬間から存在してきたものだと思うんだ。それに対する簡単な答えはないように思うんだよね」と語っている。
『her/世界でひとつの彼女』は6月28日より全国公開。