シュワルツェネッガー、実生活が影響?“家族愛”ゾンビ映画をプロデュースした理由とは

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アーノルド・シュワルツェネッガーの最新主演作『マギー』。壊死性ウイルスに侵されたアメリカの名もなき小さな町を舞台に、ゾンビ化していく娘とそれを見守る父親との家族愛を描いた異色作で、派手なアクションを封印し、インディーズ映画として製作にも執念を燃やしたシュワルツェネッガーが本作に込めた思いを語っている。
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ウイルスに感染し、日々ゾンビ化していく16歳の少女マギー(アビゲイル・ブレスリン)。父ウェイド(シュワルツェネッガー)にとって可愛い娘であることには変わりはないが、症状はどんどん悪化するばかり。為す術のないウェイドは、娘として最後まで守るのか、それともゾンビとして人類のために殺害するのか、究極の決断を迫られる。シュワルツェネッガーは言う、「これは僕にとって新しい経験だし、ゾンビ映画というジャンルにとっても新しい。だから出演するだけでなく製作したいと思ったんだ」。
本作についてシュワルツェネッガーは、「アクション映画なら世界を救うことも出来るが、ゾンビ化していく娘に対して何も出来ない。この無償の愛を描いた作品は、新しいゾンビ映画であると同時に、自分にとって大きな挑戦だった」とコメント。
さらにシュワルツェネッガーは、「観客は、僕が銃弾にも負けない超人ヒーローを演じるのに見慣れている」とした分析したうえで、だからこそ、娘を守り抜くことだけを考える普通の父親役に強く惹かれたという。「ゾンビの大群やマシンガンは他の映画で観た。どれもあり得なそうな未来だ。『マギー』は片田舎の荒れた農場に生きる1つの家族に焦点を絞ることで、病をリアルにしている。脚本を読んだ時、これしかないと思った」と語るように、シュワルツェネッガーが愛娘を思って苦悶する等身大の姿は、リアリティに満ちている。
2011年、米カリフォルニア州知事の2期7年の任期を終え、俳優に復帰したシュワルツェネッガー。その後、プライベートでは浮気・隠し子騒動があり妻マリア・シュライヴァーとの別居。なかなか波に乗れない日々が続いた。そんな中、2013年に『マギー』の撮影がスタート。本作では第一子である長女がゾンビ化していくが、奇しくも私生活でシュワルツェネッガーは第一子に娘(キャサリン)をもうけている。共通点である“愛娘”への想い、そして、さまざまな紆余曲折を経て、家族への愛が一層増したことが、彼を『マギー』製作へと駆り立てたのかもしれない。
映画『マギー』は2月6日よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開。