大泉洋を“あてがき”した小説『騙し絵の牙』、本人主演で映画化

俳優・大泉洋を主人公にイメージして執筆された小説『騙し絵の牙』が、実際に大泉の主演で実写映画化されることが発表された。大泉は「今はただただこの主役の話が、ちゃんと自分にきたことに安堵しております(笑)」と胸をなで下ろしている。
【写真】主演を務める大泉洋
『騙し絵の牙』は、発案当初から映像化も視野に入れ、『罪の声』などの小説家・塩野武士と、出版社、芸能事務所、そして大泉洋本人で物語の筋を決めていった異色の文芸作品。塩田は大泉を徹底的に分析して主人公を“あてがき”し、大泉は全7回の連載の扉絵として誌面に登場。「頭の中で大泉洋が勝手に動き出す」という全く新しい読書体験が話題となり、「2018年本屋大賞」にもノミネートされた社会派長編だ。
物語は、大手出版社で雑誌編集長を務める速水輝也(大泉)が主人公。ウィットに飛んだ語り口で人を魅了する“人たらし”な彼は、上司から匂わされた廃刊を阻止するため、組織に翻弄されながらも出版会の光と闇の中で闘い始める。だが同時に、彼の異常なほどの“執念”も浮かび上がってきて…。
大泉は「そもそものきっかけは、『映像化された際に僕が主演できるような小説ない?』と長年尋ねられ続けた編集者が、『もう私が作ります!』と塩野さんへ執筆依頼に伺ったことから始まった企画でした」と経緯を説明しつつ、他の役者ではなく自身で映画化されることに安堵。
「もともと私に当て書きして頂いた作品ですからこの『速水』という役については本来なんの役作りも必要ないはずなんです」としながら、「骨太な社会派作品のため、結局えらい難しい役になっております! なんでもっと簡単な作品にしなかったのかと今更後悔しております(笑)」とおどけながら期待をあおった。
この「大泉洋“主演”小説」を手がけた塩田は、「ハマり役という言葉が生ぬるく聞こえる、映画史上類を見ないシンクロ率100%の主演俳優! あぁ、早く大スクリーンであの天性の人たらしがみたい!」と興奮を表しつつ「『社会派』と『40代の色気』をまとった大泉洋は無敵です」と太鼓判を押している。監督ほかスタッフおよび、公開時期は未定。