S・キングも信頼 『シャイニング』を引き継いだ俊英、『ドクター・スリープ』監督の手腕に注目

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スティーヴン・キング原作、スタンリー・キューブリック監督作『シャイニング』(1980)の40年後を描く映画『ドクター・スリープ』。キングが2013年に発表した小説を基に、ユアン・マクレガーが大人になったダニーを演じる本作で監督と脚本を務めたマイク・フラナガンの手腕に対し、原作者のキング、キャスト、プロデューサーから絶賛の声が寄せられた。
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閉ざされた雪山のホテルで狂気にとらわれた男ジャック(ジャック・ニコルソン)とその家族に襲い掛かる恐怖を描いたホラー映画『シャイニング』。本作では、キングの小説『ドクター・スリープ』を基に、惨劇から生き残ったジャックの息子ダニーの40年後が描かれる。
これまでキング原作のNetflix映画『ジェラルドのゲーム』(2017)をはじめ、『ウィジャ ビギニング ~呪い襲い殺す~』(2016)、『オキュラス/怨霊鏡』(2013)、Netflixドラマ『ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス』など多くのホラー作品を手掛けてきたフラナガン監督。最新作となる『ドクター・スリープ』では、完成作を観たキングから「この映画は単体でも成立するが、キューブリックによる『シャイニング』の続編としても素晴らしい」と厚い信頼を寄せられている若き俊英だ。
『ドクター・スリープ』は、キングの原作に忠実であることに加え、キューブリック版『シャイニング』に登場する“呪われたホテル”のセットなどが映像で完全再現されている。ダニー役のユアンは「彼は物語を綴るのがうまく、どんなショットが必要なのか完全に把握している。キューブリックの作った映画の映像美を踏まえて、マイクと撮影のマイケル・フィモナリがこの映画を作り上げていくのを見て、興奮を覚えたよ。カメラの使い方だけでなく、オーバールックホテルの再現方法までにそれは活かされていた。そのすばらしいセットで僕らは演技をすることができた。本当に良い体験だった」とフラナガン監督の的確な演出を称える。
謎の女ローズを演じたレベッカ・ファーガソンは「マイクが最も優れている点は、このジャンルの世界観を知り、この映画に必要なものを理解していることよ。それはただ怖い映画を作るということだけではない。この映画では、観客が比較するであろう以前の作品を踏襲する必要があった。その上で独立した映画としても作り上げた」とコメント。
さらに「マイクは繊細で優雅な監督法で、キューブリックに敬意を払い、『シャイニング』とのつながりを見事に描いている。スティーヴン・キング小説を引き継ぎ、キューブリック映画とも美しく結びつく映画を、独立した自分自身の作品として作り上げたのよ」と、フラナガン監督がキング版とキューブリック版の両方に敬意を払いつつ、オリジナルの作品を作り上げたと絶賛した。
プロデューサーのジョン・バーグも「キングの『シャイニング』、キューブリックの『シャイニング』、そしてキングの続編を彼ならどう折り合いをつけるかを聞いてみた。すると、彼はすでにその点についてものすごく考えていて、すばらしい解釈をしていることが分かったんだよ。マイクは、ほんとうに才能豊かな脚本家・監督であり、すばらしいフィルムメーカーだ。彼はキングにもキューブリックにも敬意を抱いており、彼の解釈は両方の作品をつなげられるユニークなものだった」とフラナガン監督が本格的に作品に取り掛かる前からしっかり構想を練り上げていたことを明かしている。
映画『ドクター・スリープ』は11月29日より全国公開。