少年は“完璧な優等生”か“恐ろしい怪物”か…ナオミ・ワッツ出演『ルース・エドガー』公開決定

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女優のナオミ・ワッツやオクタヴィア・スペンサーらが出演し、人間の謎めいた本質とアメリカの現実をえぐり出す映画『LUCE(原題)』が、邦題を『ルース・エドガー』として5月15日より公開されることが決定。併せて主要キャストを捉えた2点の場面写真が解禁された。
【写真】ルースの養父母を演じるナオミ・ワッツ&ティム・ロス 『ルース・エドガー』場面写真
J・C・リーの戯曲『Luce』を映画化した本作は、17歳の黒人の高校生ルースの知られざる内面に迫り、深刻な矛盾をはらんだアメリカ社会の現状をリアルにえぐり出し、謎のベールに覆われた人間という存在の本質に鋭く切り込んだヒューマンドラマ。模範的な若者として学校や地域の誰からも愛され、称賛される少年の“知られざる真実”をめぐってサスペンスフルなストーリーが展開し、観る者の先入観を根底から覆していく。
バージニア州アーリントンの高校生ルース・エドガーは文武両道に秀で、スピーチやユーモアのセンスにも長けた17歳の少年。アフリカの戦火の国で生まれた過酷なハンデを克服し、さまざまなルーツを持つ生徒たちの誰からも慕われている彼は、自由の国アメリカで希望を象徴する存在へと成長した。
そんなルースがある課題のレポートをきっかけに、同じアフリカ系の女性教師ウィルソンと対立し、彼の順風満帆の日常が大きく揺らぎ出す。ルースが危険な過激思想に染まっているのではというウィルソンの疑惑は、ルースの養父母である白人夫婦エイミーとピーターの胸にも疑念を生じさせていく。はたしてルースは何者なのか。本当に“完璧な優等生”なのか、それとも世間を欺く“恐ろしい怪物”なのか…。
オバマ大統領の時代に上演されたJ・C・リーの戯曲に感銘を受け、本作の監督・製作・共同脚本を務めたのは、映画『クローバーフィールド・パラドックス』のジュリアス・オナー。オナー監督は自らもナイジェリア出身のアフリカ系移民であり、物語の舞台となったバージニア州アーリントンで育った。
主人公ルース役は、終末スリラー映画『イット・カムズ・アット・ナイト』(2017)で注目され、同作品のトレイ・エドワード・シュルツ監督と再び組んだA24配給作品『WAVES/ウェイブス』(2019)でも主演を務めたケルヴィン・ハリソン・Jr。現在ブレイク中の新進俳優ケルヴィンが、劇中でまだアイデンティティが確立されていない17歳の少年の葛藤を生々しく体現する。
プライベートに問題を抱えながら、ルースと激しく敵対する教師ウィルソンを演じるのは、映画『ドリーム』『シェイプ・オブ・ウォーター』のオクタヴィア・スペンサー。また、ナオミ・ワッツとティム・ロスが、愛する息子への思いがけない疑念に動揺するリベラルな夫婦に扮し、観客の視点を担う役どころを務めている。
映画『ルース・エドガー』は5月15日より全国公開。