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ベルリン国際映画祭受賞『精神0』、82歳で引退した精神科医の新たな日々を映す予告

映画

 第70回ベルリン国際映画祭フォーラム部門でエキュメニカル審査員賞を受賞した、想田和弘監督によるドキュメンタリー映画『精神0』が5月2日より公開されることが決定し、予告編が解禁された。

【写真】引退した精神科医とその妻、新たな日々を映し出す『精神0』フォトギャラリー

 本作は、想田監督が「こころの病」とともに生きる人々がおりなす悲喜こもごもをモザイクなしで鮮烈に描き、世界で絶賛された『精神』(2008)に登場した精神科医の山本昌知氏に焦点を当てたドキュメンタリー。『精神』から10年、想田監督が、82歳で突然引退し妻との新しい生活に踏み出した山本医師の日々を、深い慈しみと尊敬の念をもって描き出す。第70回ベルリン国際映画祭での受賞のほか、優れたノンフィクション作品を上映するニューヨーク近代美術館(MoMA) Doc Fortnight 2020の正式招待作品にも選ばれた。

 想田監督は、1970年に栃木県で生まれ、1993年からニューヨークに在住。台本やナレーション、BGM等を排した、自ら「観察映画」と呼ぶドキュメンタリーの方法を提唱・実践する映画作家だ。これまで『選挙』『精神』『Peace』『演劇 1』『演劇 2』『選挙2』『牡蠣工場』『港町』『ザ・ビッグハウス』などの作品を手掛け、国際映画祭で多数の賞を受賞している。

 観察映画第9弾となる本作が、ベルリン国際映画祭フォーラム部門でエキュメニカル賞を受賞した理由について、「本作は一見シンプルな作りでありながら深い感銘を与えるもので、人間の尊厳と力を示す画期的な出来事である。慈愛と謙虚さが行為を導いている。経済的・社会的成功により重きを置く社会の中で、人間が持つ力と愛する者へのケアの価値を描いた感動的な映画である」と述べられている。

 予告編は、診療所で山本医師が涙を流す患者と向き合う場面から始まる。次いで、突然の引退に「山本先生がやめられたら僕はどうしたらいいんでしょう?」と戸惑う患者や、山本医師が妻に優しく寄り添いながら暮らす様子などを収めたものとなっている。

 想田監督は撮影を振り返り、「撮りながらすぐに感じたのは、仕事中毒の山本医師にとって、精神医療は彼の人生そのものであったということである。仕事こそが山本昌知という人間を定義づけ、生きる意味をも規定しているように見えた。そして山本氏は、そのあまりにも重要な現場を、今まさに手放そうとしていた。山本氏が、医師という地位や看板、役割や生きがいから離れ、一人の『人間』になったときに、どう生きていくのか。同じく仕事中毒の僕には、その点が興味津々だった」と当時の心境をコメント。

 続けて「そのような視点で山本氏を撮影していくうちに、もう一人の主人公が浮かび上がってきた。妻の芳子さんである。そしてこの映画は、山本昌知個人というよりも、夫婦についての作品になっていった。その結果、本作は期せずして『純愛』についての映画になったのではないかと思っている」と語っている。

 映画『精神0』は5月2日より全国順次公開。

映画『精神0』予告編

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