三谷幸喜、歌舞伎役者の魅力を明かす 志村けんさんのエピソードも告白

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シネマ歌舞伎最新作『三谷かぶき 月光露針路日本(つきあかりめざすふるさと) 風雲児たち』(10月2日より全国公開)で作・演出を務めた三谷幸喜と、主演の松本幸四郎、共演の片岡愛之助が、完成披露上映会の舞台あいさつに登場。本作の見どころや公演時の思い出などを語った。
【写真】『三谷かぶき 月光露針路日本 風雲児たち』完成披露舞台あいさつの様子
本作は、江戸時代に船で遭難し、漂着先のロシアでさまざまな困難に直面しながらも10年をかけて日本に帰国を果たした実在の人物・大黒屋光太夫の物語。三谷の作・演出による新作歌舞伎として2019年6月に歌舞伎座で上演された舞台が、三谷自身の監修により映像化された。
話題のドラマ『半沢直樹』(TBS系)でも活躍している歌舞伎俳優の魅力について、三谷は「普通のお芝居ではアドリブを言うのは認めていないが、歌舞伎俳優はお芝居がしっかりしていて、型が出来ているから、どんなに外れても上手く戻すことができる。なので、僕は歌舞伎に関してはアドリブ解禁したんです」と語り、「ある日、志村けんさんのギャグのアドリブを出演者みんながするので、おかしいと思ったら、客席で志村さんがご覧になっていたんです」というエピソードも披露した。
本作の主人公・大黒屋光太夫を演じる幸四郎は「ロシアに漂流する物語の歌舞伎で、一体どうなるか分からない中、自分たちは漂流してはいけない。目指すゴールに向かってまっすぐ進んで行くだけという想いでやり切った。三谷さんの作品は、いつの間にかお芝居の世界に引き込まれていて、楽しい。絶対に凄いものになるという安心感があり、(自分たちは)皆さんにお見せするのに徹することが出来ました」と話した。
続けて愛之助も「あて書きされる三谷さんなので、稽古場でも皆とコミュニケーションをとって、目立たない役も膨らんで台詞が増えたり、日々進化していく様子が印象的でした」と稽古場でのエピソードを披露した。
また、この後映画を観る観客を前に、三谷は「大学の頃からファンだった、原作『風雲児たち』の作者みなもと太郎さんの描き下ろしアニメーションが本作の冒頭に入るんです!」と嬉々として話し、幸四郎に「ネタバレになるから」と制されていた。
シネマ歌舞伎『三谷かぶき 月光露針路日本 風雲児たち』は、10月2日より全国公開。