『Away』絶景をひた走る　少年の幻想的な旅路を映す本編映像解禁

映画

公開日：2020/12/2 16:00

『Away』絶景をひた走る　少年の幻想的な旅路を映す本編映像解禁の

　世界の映画祭で9冠を獲得した長編アニメーション映画『Away』より、少年と飛べない小鳥がバイクで駆け抜ける、美しい旅路を収めた幻想的な本編映像が解禁された。

【動画】息をのむ絶景　美しい鏡面世界を旅する『Away』本編映像

　ラトビア人新進クリエイター、ギンツ・ジルバロディスが3年半をかけて製作・監督・編集・音楽の全てを1人で手掛けた本作は、少年の美しい冒険の旅を描く、セリフのないロードムービー。飛行機事故でたった1人生きのびた少年は、森で地図を見つけ、オートバイで島を駆け抜ける。黒い影から逃れて、小鳥とともに－。

　アヌシー国際映画祭“コントルシャン”賞の初代グランプリ受賞を皮切りに、2020年第92回アカデミー賞長編アニメーション部門の最終候補32作品に選ばれ、同年第47回アニー賞でもベストミュージック部門にノミネートされた。ポーランドで行われた第13回ポズナン・アニメーター・フェスティバルでは最優秀長編映画賞を受賞し、世界の映画祭で9冠を達成。日本以外にもフランスやポルトガルでの公開が決まっている。

　解禁された本編映像は、飛べない小鳥と共に旅する少年が、広く美しい湖に到着したところから始まる。湖は一面鏡張りのように周りの景色を映し出し、美しい青空が反射した幻想的な鏡面世界を作り上げている。彼らを出迎えるかのように現れたのは、悠々と湖の上を歩き去っていく3頭のゾウ。そして、彼らと並走するように白い鳥たちの群れがやってくる。

　美しい映像とともに流れる音楽も、ジルバロディス監督自身が制作したもの。幻想的な映像と壮大な音色が、非日常感あふれる世界観を作り出している。

　本作が初の長編デビュー作品でありながら、独創的な世界観を作り上げたジルバロディス監督。今回の本編映像にも登場している動物たちにはそれぞれ“意味”が込められているという。「飛べない小鳥は、同じように旅をする主人公の少年を表しています。少年は、飛行機事故で一人取り残され、家族との再会を望んでいます。そして、この作品のメインテーマは人と人とのつながりで、その悪の象徴的なシーンでネコたちが登場します。彼らはあまりにもつながりが強く、個々が強烈な個性を持っていない」と語っている。

　また、「最初はそれぞれのネコに個性と色を与えようと思っていましたが、すべて同じ個性にするべきだと感じました。1匹のネコを作り出して何度もコピー＆ペーストしたことで、アニメーションの作業がずっと簡単になり、かつストーリーにも気味悪さを加えることができたと思います」と、偶然生まれた演出もあることを明かした。

　アニメ映画『Away』は、12月11日より新宿武蔵野館ほかにて順次公開。