【プレビュー】令和に蘇った『ワイズマンズワールド リトライ』は“探索”と“バトル”に振り切った古典的RPGの体現者だった
P R:シティコネクション
株式会社シティコネクションより『ワイズマンズワールド リトライ(以下、リトライ)』(PS5/PS4/Nintendo Switch)が5月30日に発売される(Xbox one/Steamは2024年発売予定)。本作は、2010年に株式会社ジャレコが発売したRPG『ワイズマンズワールド』(ニンテンドーDS)を原作に新規キャラビジュアルやBGM、UI最適化、新機能を追加したHDリマスター作。崩壊の進む世界を舞台に、記憶を無くした魔法使いの主人公・クラウスと仲間のホムンクルス(人工生命体)3体の冒険を描く。今はなきジャレコ最後のRPGが復活するとあって、発売発表時には当時を知るゲーマーの間で話題となった本作。本稿ではスイッチの製品版を試遊しての所感を語っていく。なお、物語やキャラクターの詳細は公式サイトに掲載されているため、そちらも是非チェックしてほしい。
【動画】『ワイズマンズワールド リトライ』、カッコよすぎるBGMの視聴動画が公開中
プレビューに入る前に「なぜ『ワイズマンズワールド』がHDリマスターされることが話題になったのか」を簡単に語らせてほしい。ジャレコは古くは70年代のアーケードゲームに始まり、80年代から00年代にかけてゲームを制作していた老舗メーカーであったが、経営の悪化などが原因で2014年に倒産。『リトライ』を手掛けたシティコネクションは、2013年ごろから同社のライセンスを継承していたこともあり、今回のHDリマスターが実現した。プレイしたユーザーからの評判は好評だったものの、セールスが振るわず一時はプレミアソフトとなっていた原作が現行機で遊べるようになるということで、当時を知るゲーマーには驚きと喜びが走ったのだ。
■ 90年代RPGのような歯ごたえあるバトルとホムンクルスの育成がクセに
前置きはこれくらいにして『リトライ』のプレビューに移ろう。ゲームとしては、この世界唯一の街にして拠点「ウィザレスト」と周囲に点在する「ダンジョン」を行き来してモンスターと戦うことで物語が進行していくというコンパクトな作りになっている本作。戦闘はダンジョン内を徘徊するモンスターシンボルと接触することで開始。システムは敵味方が素早い順から行動するオーソドックスなターン制コマンドバトルなのだが、実は本作、ボスはもちろんダンジョンを徘徊するザコ敵まで手ごわい。加えて、各ダンジョンのエリアには結構な数のモンスターシンボルが配置されている。
上部に並んだひし形のアイコンが行動順で、素早さが高い順に左から行動していく。
バトルでは土・水・火・風という属性が重要で、これらは水は火に強く、火は風に強いなど4すくみの関係にある。敵の弱点を的確に突くことが大事なのだが、主人公の魔法だけでは全ての属性に対応することは難しい。そこで重要になるのが、バトルで倒したモンスターから入手できる魂(アニマ)を仲間のホムンクルスに融合する“アニマフュージョン”だ。
アニマフュージョンは「ウィザレスト」にある主人公のラボで行うことができ、ホムンクルスの攻撃力や防御力などのステータスを強化。さらに、自身と通常攻撃の属性が元になったモンスターのものに変化し、見た目もモンスターを模したものに変わる。「モンスターと戦ってアニマをゲット」→「アニマフュージョンでホムンクルスを強化」→「さらに強いモンスターとバトルして新たなアニマをゲット」と、このサイクルにはなかなかの中毒性がある。
アニマフュージョンをするとホムンクルスの見た目も変化。元になったモンスターとは少し異なるデザインになっているのも芸細ポイント。
■ ダンジョンに行かなくてもアニマが集まる!?
しかし、先述した通り本作の敵は全体的に手ごわい。加えてアニマのドロップ率もそれほど高くないので何度もダンジョンに潜って同じ敵を探して倒し続けるのは結構しんどい(一応、バトル終了後は主人公がHP・MP全快、ホムンクルスはHPのみ全快する仕様なのだがそれでも連戦は辛い)。そこで役立つのがラボにある「モンスター図鑑」に追加されたモンスター再戦機能。この図鑑は戦ったモンスターを自動的に記録するもので、選択したモンスターと出てくる数を指定して何度でも再戦が可能なのだ。
図鑑での再戦に勝利すればダンジョンでの戦闘と同じく経験値・お金・アニマが手に入る。これを利用しない手はない。
また、敵とのバトルでは「チェイン」を意識することも大切だ。チェインはパーティメンバーの攻撃が連続するほどつながっていき、ダメージ上昇やステータスアップなどのボーナス効果が得られる。敵味方の行動順を意識して戦うことで強敵との戦いもぐっと楽になるぞ。
■ 生まれ変わったビジュアル&音楽
文:舘はじめ/クランクイン!編集部
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