『silent』美しいラストに反響! キスやハグを安易に使わぬ“深い”ラブストーリーに

カルチャー
2022年12月23日 20:00

■紬&想以外もそれぞれの幸せへ

 二人を支えてきた登場人物たちも、それぞれの幸せへと歩き始めた。

 まず、本作の鍵を握っていた湊斗。紬の元恋人で、想の親友というかなり微妙なポジションながら、最後まで“主成分優しさ”であり続けてくれた。中盤でちょっぴり人間臭い部分も見えたけれど、彼はやっぱり優しい。ただ、その優しさが、時々、周囲に消費されているように見えて、“かわいそう”と思ってしまう瞬間も、正直あった。

 でも、友人に「湊斗くん、絶対幸せになってね」と茶化された時、「今が幸せじゃないって決めつけんな!」と返した彼を見て、ちょっぴり安心した。きっと湊斗は、ただ優しさを消費されているだけではない。そのなかで、自分の幸せを探して、見つけていける強さがある人なんだと。

桃野奈々(夏帆)&戸川湊斗(鈴鹿央士) (C)フジテレビ
 そして、本作の裏ヒロインと言っても過言ではないのが、奈々。「奈々だけに伝わればいいから」と手話を覚えてくれた想が、ほかの女の子と手話で会話をしていると知った時、とても苦しかったと思う。「プレゼント、使いまわされた気持ち」と思ってしまうのも、仕方がない。

 けれど、奈々はちょっとのことでは折れない強い女の子だった。想に思いが届かなくても、しっかり前を向いて歩き続ける。その先で、かつて恋仲のような関係だった春尾正輝(風間俊介)と再会することができた。二人の関係がどうなったのかは具体的には描かれなかったけれど、きっとどこかで笑い合っていることだろう。無邪気にわがままを言う奈々を、春尾が楽しそうにたしなめながら。

 「すべてが最高のドラマだった」「自分の中で大切なドラマになった」と最後まで多くの支持を集めた『silent』。SNS上では、「ロスになりそう」と早速“ロス”を恐れる声も上がっている。しかし、毎週木曜日の夜、『silent』に恋焦がれた日々は、私たちの心のなかに永遠に残り続けるはずだ。最終回まで、温かな気持ちにさせてくれた『silent』に、感謝の思いを込めて。

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菜本かな(ライター)

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