『夕暮れに、手をつなぐ』“美しくて強気なハグ”をひも解く 永瀬廉だからこそできた衝撃

カルチャー
2023年3月18日 09:00
『夕暮れに、手をつなぐ』“美しくて強気なハグ”をひも解く 永瀬廉だからこそできた衝撃
浅葱空豆(広瀬すず)&海野音(永瀬廉) 『夕暮れに、手をつなぐ』第9話より  (C)TBS

 広瀬すず×永瀬廉で送る青春ラブストーリー『夕暮れに、手をつなぐ』(TBS系/毎週火曜22時)。3月14日(火)に放送された第9話は、音の強気なハグに「あんな美しいハグ見たことない」と反響が集まった。(文=菜本かな) ※本記事はネタバレを含みます。ご注意ください


■『ロンバケ』北川悦吏子が描く令和の恋

「空豆。俺、お前のことが好きだった。今も、これからも好きだと思う」「私は、音が好きだ」

 “送信取り消し”されてしまった告白は、どこに消えてしまうのだろう。この機能がない時代だったら、確実に2人の恋は実っていたのに。『ロングバケーション』(フジテレビ系)や、『オレンジデイズ』(TBS系)など数々の恋愛ドラマをヒットに導いてきた脚本家・北川悦吏子が、集大成として描く『夕暮れに、手をつなぐ』は、“令和っぽさ”が満載だ。

 振り返れば、浅葱空豆(広瀬)と海野音(永瀬)の出会いのきっかけは、ワイヤレスイヤホンが入れ替わってしまったことだった。そんなふうに、令和ならではの出会いを果たした二人が、令和ならではの機能のせいですれ違ってしまう。なんて、憎い展開なのだろう。SNS上でも、「心の底から送信取り消しという機能がなくなってしまえばいいのにと思った瞬間だった」「送信取り消し機能廃止委員会を設立しよう」と悔やむ声が多く上がっていた。

■相手が優しいと、なんだか切ないのはなぜ?

 第9話で苦しかったのが、空豆と音の間に流れる空気感の変化だ。これまでは、嫌なところをつつき合って無邪気にじゃれていたのに、久しぶりに再会した2人はすっかり大人になってしまった。「おめでとう」「ありがとう」なんて、優しい言葉をかけ合っているのだ。先日最終回を迎えた『ブラッシュアップライフ』(日本テレビ系)でも描かれていたが、軽口を叩き合っていた相手に急に優しくされると、妙に距離を感じることがある。

浅葱空豆(広瀬すず) (C)TBS
 これまでの空豆と音の会話は、本当にテンポがよかった。エンディングの映像で、広瀬と永瀬の距離が縮まっていくにつれて、本編の二人の会話もまるで本物のきょうだいのように、しっくりくるものになっていた。だが、今回の二人はあまりにも会話のテンポが悪い。話したいことはたくさんあるのに、何から話せばいいのか分からない…。そんな気まずさを、広瀬は全身で表現して、永瀬はあえてポーカーフェイスでただずんでいた。

 思っていることをすぐに口に出してしまう“分かりやすい”空豆と、何を考えているのか“読めない”音、二人は正反対だけれど、どこかが似ている。だからこそ、二人が一緒にいると、ピースがカチッとハマったような感覚になるのだろうなと思わされた。

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夕暮れに、手をつなぐ

広瀬すず

永瀬廉

King & Prince

田辺桃子

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茅島成美

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